第23話─過去の邂逅─
あの日の俺は、周囲を取り囲む男女の中の1人である直近の元カノに刺され死亡しかけた
しかし俺は死神。人間が死ぬような傷は即座に塞がり治る
そして修復が終わった俺は、そいつを睨みつけたんだ
死神の力を使って都市伝説の1つ、「きさらぎの電車」を呼んだ
きさらぎの電車は要するに唯利のことだ。この時はそんなことは知らず、ただ消えればいいと思っていた。思ってしまったんだ
そしてやってきた電車は、怪しく光り輝いた
その光に誘われるように14人が後ろの客室に乗り込み始めて、安堵したんだ。そして気を抜いた
その時、背後から突き飛ばされた
電車の入り口の前に放り出された俺は、振り返り文句を言おうとした
しかし奏音は気絶しており他は連れてきていない
その代わりに純恋がそこに立っていた
「…お前…!」
「ふふ…。これで、貴方の最後は私の中で過ごすことになる」
「何を言って…。まさか…!」
「それは死者が乗る電車。あなたが乗れば死ぬことになる。死神でも死ぬのかわからないけど、ね」
「乗らなきゃいいだけだ!」
俺は電車から離れようとした
しかし足は電車に乗ろうとしている
「なっ…!」
「それがその電車の束縛。目の前にいた者たちを確実に連れ去るの」
「…お前、なんなんだ。なんでそんなことを知ってる?」
「私は悪魔なの。最後の1人だけどね。その電車のことを知ったのは冥府の人に聞いたから。利用できるものは利用しなきゃ」
「ふざけんな!俺は瑠璃を殺したあいつを殺さなきゃならんのだ!」
「それは叶わないね。残念。それと、さようなら」
電車に完全に乗り込んでしまった俺
ドアが閉まり、走り出した
徐々に加速していき、俺の意識が薄れていった
次に目を覚ました時、俺はこの記憶を失っていたのだ
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