第14話─番外 とある桜坂─
どーも冬風です。
今日は俺が人間界にいた頃の話として、とあるバカの話をしようかなと
そいつの名前は
見た目は美少女な男で、最近高校を卒業したばかりの奴なんだが、こいつは俺の実家に支えている
桜坂ってのが代々冬風に支える一族ってだけなんだけどな
───観測端末02、起動
「ねぇ夜斗、いつまでそこにいる気なの?」
「いやしばらく帰れねぇよ」
サラッときさらぎ駅にいる俺に話しかけてくるこいつにも、観測端末を持たせてある
観測端末の別名はデータデバイス。死神が力を発揮するための神機っつー武器を起動する鍵みたいなもんだ
「そもそも帰ってこれるの?きさらぎ駅って片道切符でしょ」
「まぁな。だからこまってんだろ」
「うーん…。いっそその世界壊せば帰れるんじゃない?」
「行き場のない魂で人間界が溢れかえるっての」
こいつは平気で猟奇的なことを言う
白鷺っつー冬風の敵が俺を殺そうとした時に、久遠が返り討ちにしたんだが…
その時も刀で浅い切り傷を幾重にもつけてたなぁ…なんて思い出みたいに言うことじゃないんだけどさ
「けど帰ってこないと白鷺を抑える人いないしなぁ」
「あんなんでも一応神だからな。気に食わんが」
白鷺は神の血が混ざった一族だったりする
原点を辿るとギリシャ神話とかに出てくるゼウスなんだが、まぁ血の濃さで言うと1%にも満たない
それでもまずまずの権能を持つから困る。しかも人間の風上にも置けない奴だ
「なんか情報あったか?」
「チラッと聞いたのは白鷺が動いたってことかな。霊斗の彼女に手を出そうとしてるらしいよ」
「じゃあそれ止める方向で…」
「もう動いてるよ。四重奏が交代で神崎ちゃんを見てる」
「さすがだな。三交代か?」
「うんにゃ6時間交代。けどもし動きがあれば全員で殺しに行くつもり」
「さすがだな。すまんが、俺が動けない間は頼む」
「わかってるよ。まぁ不安要素としては煉河くらい?」
煉河は警察の中層の人間だ
元はハッカーだったんだがその技能を警察で使うことを条件に無罪判決を受けた、所謂ホワイトハッカーってやつ
煉河無しには警察は役に立たないと言っても過言じゃない
「なんかあんのか?」
「下手に霊斗を刺激されると四重奏が動きにくくなるの。わかるでしょう?」
確かに霊斗の潜在能力は高い
元はといえば俺の気まぐれで魂を改造しただけなんだけど、謎に吸血鬼化が進行して今はほぼ吸血鬼となってしまった
だからこそ、無自覚でその力を使われると困るんだ
「なら、もし万が一が起きた時は体を貸せ。すぐ終わらせる」
「そうだねー。紫電を使っていいならすぐなんだけどなぁ」
「状況次第だ」
紫電というのは久遠の固有能力ってやつだ
紫色の雷電を操るっていう一見は大したことない力なんだが、応用すると防御や攻撃、さらには身体強化をも使える万能能力
俺のとはまた方向性が異なる能力になる
「りょーかい。さすがに疲れたからもう切るけど、観測端末で私のことも見てる?」
「いや、基本警報モード」
「えー…。じゃあなんかあったらすぐ鳴らすからね」
「了解」
警報モードというものは簡単に言うと、観測対象に何かが起きた時に警報が鳴るってやつだ
久遠はぶっちゃけずっと見てる意味ないからな!
「じゃあ、頼んだぞ桜坂当主」
「仰せのままに、冬風様」
通話モードを解除し、警報モードで待機させる
うん?なんか如月が呼んでるな。今回はここまで!次は誰のことを語るかなぁ
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