第100話 微熱

彩南が熱を出した。

翌日病院に連れて行った。

風邪だったけれど、念のため、熱が下がった次の日までは休ませてあげてほしいということだった。

彩南は最近私と話してくれなくなった。

いろんなことがきっと彩南にはバレていると思っていた。


アイスクリームが食べたいというのでランチを食べに連れて行った。

彩南は、中学生になってから少し身長が伸びた。

そして、下のきょうだいの面倒をよく見てくれている。

彩南は意外にも、私が遊びに出かけていることを、

ママの息抜きと、割り切っていると言っていた。

いつでもママの味方をしてくれるのは嬉しい、でも、やっぱりこういうことは子供にバレるのはよくないなと思った。

彩南にはママはただランチに行ったり、カラオケに行ったり、カフェに行ってるだけって言うことになっている。

他のことに気づかれる前に何とかしなければと思うのだけれど、うまく自分と向き合えない自分がいる。


その日は大輔さんと一度もやり取りをしなかった。

出会って初めてのことだった。

彩南と話してから、彩幸や彩斗、愛彩や裕彩が帰ってきて、一人一人の話を聞きながら過ごしていた。

大輔さんと連絡をとるのが面倒になってきたのもある。

同時に、けんちゃんと連絡も取っている。

けんちゃんには事情を説明していた。


人には旬があるものなのかもしれない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る