第79話 ささやか
彩南が中学生になった。
もうとうとう、中学生の子供がいるママになってしまった。
彩幸は小学校5年生、彩斗は小学校4年生、愛彩は小学校二年生、裕彩は保育園最後の年長さんとなった。
新しい環境になれるのが苦手なのは彩幸。
今まで、登校するのも彩南がいたから自由にできたけれど、これからは自分が引っ張っていかなければいけないと思うと、憂鬱だと言っていた。
あとの子たちはそこまでの変化を感じていない。
彩南は中学校に行くのが楽しみだと言っていた。
潤も入学式でにこにこしていた。
潤の血のつながった子は裕彩だけなのだが、他の上の子供たちにも、同じように接してくれているし、思春期の特有の反抗期なども受け止めてくれて入れ、本当に、いいパパだし、いい夫だった。
私はと言えば・・・。
大輔さんとはそこそこのお付き合いをしているが誰にもバレたくないことでもあるから、遠出することが多かった。
温泉に浸かった日は、日帰りだけれども帰ってからも、子供たちとお風呂に入ったりと、家庭をきちんと守った状態は保っているつもりだった。
大輔さんに気持ちが持っていかれてる状態ではあったけれど、夫婦生活もうまくいっていた。
手帳にも誰に抱かれたかということも事細かく書くようになった。
それを布団のマットレスの下に隠しているから、バレてはいない。
バレるかなと思ったら、車のトランクにしまっていた。
買ってもらっている服や化粧品はポイントで買ったなどと小出しにしているためあまり目立っていない。
この生活がずっと続くといいなと思っていた。
ずるいけれど、いい母で、いい妻で、いい女でいたかった。
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