第77話 艶やか

帰り道、コンビニに立ち寄り、冷たいカフェオレを買って、車の中で少し休憩をしながら、大輔さんに今日のお礼のメールをしていた。

それだけでも、キュンキュンしてしまうのだ。

そして、返事を待ってる間に、買ってもらったものを一旦、トランクの下のだれも開けないところに詰め込んだ。


裕彩をお迎えに行って、帰って、夕飯の支度をして、食べさせて、順番にお風呂に入れて、自分も寝自宅をしていた。

残業から帰ってきた潤にも夕飯を用意して、向かい側に座った。

「機嫌よさそうだね、なんかあった?」

潤は何かを感じ取ったわけではなく、ただただいつもなら疲れた、子供たちが言うことを聞かないとそればかりの私が今日に限っては何も言わないから、機嫌がいいものだとおもったらしい。

私は今日の昼間にあった出来事の影響がバレたのかもしれないと内心はハラハラしていたが、そうでもなさそうなので、今日は子供たちがたくさん手伝ってくれたという話を作って、楽しく過ごした。


寝る前に潤に、

「俺、今度の人事で昇格するよ。」

と言いながら、求めてきた。

夫婦なのだから仕方ないのだけれど、なんだか、大輔さんにキュンキュンしていたのに、抱かれるのは潤。

でも、私は行為そのものもまんざらではないため、受け入れる。


潤のことを考えての行為ではない、大輔さんのことがバレないための行為である。

そんなことは潤にはバレることはないと思いながら身を任せた夜だった。


お姫様の魔法はきちんと二時間でとけていた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る