第47話 本性とは

「ママー!」

これを耳にすることがとても嫌になった・・・。



まだ小学生だしとも思ったが、これから私が寝込んだ時や、家族の誰かが寝込んだ時にと、彩南に料理を教えた。

彩幸にも洗濯機の使い方を教えた。

練習と言って、毎日少しずつさせていた。

洗濯ものは干して終わりではないから、乾いたらたたんで、各所にしまうことも教えた。

ただ、それぞれ、並べておけば、自分の分を自分でしまいにいくというルールがあったため、たたむところまでを教えた。


彩南はもともとお手伝いをよくしてくれたので、すぐに料理を覚えてくれた。その小さなママは今日は晩御飯は何にしよう?って悩んでくれてるのがかわいらしかった。

火を使うから目を離すことはできないけど、頼もしかった。

彩斗は掃除機の使い方を覚えて、毎日学校から帰ってくると、家中を掃除機できれいにしてくれる。


みんな学校から帰ってくると、一斉に家事をしてくれる。


最初は子供のため、いろんな経験をさせて何もできない子供にはさせたくないと思って始めたことだ。

他にもいろいろと家事はあるけど、私がやることは名もなき家事というもの、詰め替えを容器に移したり、乾いた食器を食器棚に片付けたり、あとは洗面所の掃除、トイレの掃除、お風呂の掃除、床に置きっぱなしの物を片付けたり・・・。


みんなで手分けしているつもりだった。

愛彩のこともみんなで面倒を見てくれていたし、送り迎えさえしておけば最低限のことはしてもらえる。



子供たちのためにと、根気よく教えたのは結局自分のためだったのか・・・。


そんな子供たちのママをらくちんにしてあげようという親切心に甘えてしまった。


潤もとてもやさしくしてくれる。


・・・物足りない。



理恵ちゃんのお友達だった春樹からメールが来ていた。

返事をし、やりとりをしていたら会うことになった。

もちろん、潤には理恵ちゃんと会うと言って、子供たちをお願いした。

ご飯を作って、子供たちが帰ってきてから、愛彩をお迎えにって、帰ってきてから、出かけた。

みんな、いってらっしゃい!って屈託のない笑顔で玄関先まで見送ってくれた。




少しだけ罪悪感のような、それに似たようなものが胸をちくちくさせた。







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