第44話 女の部分

突然じゃない。

私の中にもともとあったものだと思う。

恋愛体質なのか、それとも・・・。


理恵ちゃんとランチをしたときに知り合った春樹くん。

もう三年くらいは経ってるかもしれない。

連絡先がまだ変わっていないといいなと思いつつ、子供たちが学校、保育園の間に連絡をしてみた。


返事は10分後に春樹から返ってきた。

そこから会話が続き、いろんなことをやり取りした。

落ち着いたら、食事に行こうと誘われた。

春樹と初めて会ったときは顔がタイプだったこと、趣味があったことなどで気に入っていたが、その時の私は、元夫と婚姻関係であり円満だったことから興味が持てなかった。


そして、出会い系サイトでも、一人、二人、会ってみようという人もいる。

そういうサイトだからあまり信用していないけれど、ちょっとくらい・・・と自分の中で甘えがあったのは間違いない。

子供たちがいるから恋愛してはいけないなんて誰が言うのかというほど、自由を感じることもあった。

ただ毎日が忙しいことで忘れかけていた「女」の部分がまた覚醒したのだ。


出会い系サイトで出会った人とランチに行ってみた。

人通りの多い駅で待ち合わせして、駅の隣にあるショッピングモールでランチをすることにした。

私より、1歳年下の人だった。

年上と聞いていたのだが、本当の年齢は私の1歳年下だった。

年齢を偽っていたのは若いということで馬鹿にされることがあるからと言っていた。

ランチの後はちょっとゆっくり歩いて、カフェに入った。

温かいコーヒーが充実感を増してくれる。


潤というその男性とはそんなデートを何度かしてみた。

そして、4回目や5回目ともなればちょっと場所を移動するようになっていたが、シングルマザーであることも話していたし、保育園にお迎えに行かないといけないことも話していた。

だから、お迎えに行ける時間に必ず帰れるようにしてくれる。


潤とあった日は必ずと言っていいほど彩南にママが機嫌がいいと言われる。

潤の話は一切していない。

春樹とも会う約束をしている。

私は毎日が楽しかった。

そのうち、子供が兄弟喧嘩していても放置して、メールや電話をするようになった。


急いで食事をさせて、お風呂に入らせて、早く寝かせて、自分の時間を作るようになった。

恋愛体質な私は段々それが中心になってくることになる。







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