第43話 子沢山

あっという間に、彩南は小学生になり、もうすぐ二年生になる。

宿題をしている間も洗濯機を回してくれていたり、すごく協力してくれている。

私は、彩幸、彩斗、愛彩を保育園に預けて、品出しの仕事に奮闘していた。

週に4日は最低でも働かないとと思っていたけれど、他のパートさん、正社員のシフトの都合で、3日は入れればいいほうだ。

低所得だけれど、なんとかやっていけてるのは元夫や、国の制度のおかげでもある。


保育園にお迎えに行く前に一度家に帰って、彩南との時間を持つようにしている。

そうでもしないと、忙しさで、あっという間にろくに話も聞けずに一日が終わってしまう。


彩南はお姉ちゃんだからという自覚がすごく強い子だ。

そして、学校でも勉強をとても頑張る子だ。

努力家な部分もあり、甘えることが下手だったりもする。

そんな彩南には必ずママを独り占めできる時間を作ってあげたいと思って、保育園のお迎え前に話したり、一緒に料理をしたりして過ごすようにしている。


全く贅沢な暮らしではないけれど、十分生活していけていることもあり、たまには外食に行くこともあったが、一人で四人の食事を見ながら食事をすることはもはや一大イベントのようになってしまうためあまり外食はしない。


朝は飛び起きて、夜は死んだように寝てしまう生活。

じぶんが選んだ生活であり、自分が一番望んだ子供たち。


段々余裕ができてくると、私の中の「女」が騒ぎ出す。

幾度となく、その騒ぎをおさめてきた。

連絡先を交換した人とも連絡をする暇もなかった。


今はシングルマザーだし、連絡とってもだれにも何かを言われることはない。

連絡を取って、会うことはなくてもときめいていたいと思うようになり、出会い系サイトでも、登録をして、知らない人とやり取りをしていた。

会うことは絶対しないということだけを自分の中で決めていたのだが。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る