第41話 せわしなく流れる
朝起きることがつらくなった。
2LDKのアパートに引っ越してきてから二か月がたとうとしている。
すでに引っ越しの段ボールも残ってないような、日常の中、必死に子育てをしながら、品出しの仕事をし、家事もこなしていた。
そんなある日、朝に体を起こせなくなってしまった。
彩南が心配して、
「ママー、びょうき?さゆちゃんとあーくんのごはんするね」
と声をかけてくれた。
朝ご飯にパンを用意しローテーブルに置いていたのでそれを彩南が、彩幸と彩斗に渡して、手を合わせて頂きますと、三人で食べだした。
起きなければいけない、仕事は休みだけれど、起きなければいけない。
お腹の子はどんどんおおきくなっていくにつれ、腰痛がでてきたり、体がすごくだるく感じるようになった。
どうしようもなく母に電話をすると、仕事が休めないと言われ、元夫に電話をすると、仕事に都合をつけて家に駆けつけてくれた。
ごめんねと言っている私を横目に、子供たちがパパが来たと喜んでいる間に、ササっと子供たちを着替えさせ、三人を保育園に連れていく準備をしてくれた。
お迎えの時間を聞かれたので18時までというと、そのころにまたお迎えに行って、家に送るからと言って、子供たちと出かけてくれた。
離婚してからも、元夫とはとても良好だ。
離婚したことが不思議なくらい良好だ。
体調が悪くなることが多くなってきて、子供たちの面倒をみてくれる元夫には感謝しかない。
なんとか体を起こしできる範囲で家事をしておこうと夕方までにご飯や洗濯をし、横になってはまた体を起こして、ゆっくり動いた。
パパに会えた日は子供たちはすごくご機嫌だった。
大人の勝手でこんな思いをさせているのだからそれを埋め尽くすくらい幸せにしてやりたいと思う。
なかなか難しい問題も出てくるだろうけれど、私が頑張ればいい、この先もずっとそうしていこうと決め、帰ってきた子供たちの話を聞きながらご飯を食べさせ、お風呂は彩南が彩幸と彩斗を上手に洗ってくれて、三人は無事に寝てくれた。
こんな日がたまにあったけれど、無理を言って母にお願いしたり、元夫にお願いしたりでなんとか切り抜けられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます