第37話 さやかの変化

長女がお出かけしたいと言ったら、少しさやかを休ませるため、

「パパと行こうか?」

と言って、連れ出して、さやかの時間も作れるようにしてみた。


飲み会となったら我が家が恒例となってきた。

庭に適当に、飲み物をおいて、後は得意なBBQをしておけば、長女も喜ぶし、さやかもにぎやかなことが大好きだから、しばらくはそういう過ごし方をしていた。


庭でビール片手に、笑いながらなんともない話をして、

さやかの体調と相談しながら、ホームパーティーをしていた。

さやかもそういうわいわいするのが好きな方なので、いつも食卓には上らないようなものを作って、みんなが感動するようなおいしさ、盛り付け、自慢の妻だった。


ある時を境に、さやかの様子がちょっとおかしいなと思うようになった。

ただ、朝早くから夜遅くまで働いて、少しでも家族のためになればと、働き続けた。


ある日帰った時は、家の中がすごく片付いていたことがあった。

そのたびに、ママ友と呼べる人ができたりして、家に招いたのかな?と思っていた。

気が付けば、次女が生まれるまであと少しとなった、個室に入院させてやることができた。


次女が生まれた時、姉妹かぁ、かわいいなぁ・・・。

と思った。

さやかは長女の時よりも少し楽だったという。

それでも出産は命懸けだ。

本当にありがとうと思った。


それからはもっとこれからお金がかかると聞いていたから、ますます頑張って働いた。


半年位したころだろうか。

帰ってきたとき、さすがにさやかも疲れてるんだろうと思ったけど、それにしてはとても顔が暗い。

話があると言われ、聞いていた。


耳だけ夢の中なのかと思った。

夢の中で聞かされているのかと思った。


自分の後輩との不倫。

後輩とさやかが不倫をしていた。

そのうえ赤ちゃんまで。


何を毎日頑張ってたんだ・・・。

そこに向かっていたのだろう・・・。

そう思うと、こらえきれず涙が出てきた。

その日さやかの顔をみることはできなかったけど、さやかのお腹に宿った子供は全て自分の子供だと思って育てていこう。

いのちはだいじだ。だから、さやかが産みたいというなら、反対しないでお腹の子に罪はないのだから、長女や次女のようにしっかり愛情を注いでいこう、そう決めた。


簡単なことではない。

それに、頭ではわかっていても心がついていかなかった。

生まれてくれるまで、追いつかなかった。



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