第28話 安定

風邪をひくこともある、生身の人間なんだから、無理しないようにしてねと夫から言われていたが、そういう優しいことを言われるとついつい頑張りすぎてしまうのが悪いところだ。


彩南、彩幸、彩斗とお風呂に入り、寝自宅をさせて、絵本の読み聞かせや、何故かプロレスごっこ、怪獣ごっこをして、疲れてそのまま寝てしまう。

子供たちを寝かしつけているのに先に寝てしまうのはいつも私だ。

でも、だいたい、子供たちも同じくらいに寝ているのだろう、寝返りをうった足が当たったりして、痛みで目が覚める。

そのころにだいたい夫が帰宅する。


22時ごろ、のそのそと起き上がり、寝ぼけた頭で三人分の保育園の準備をしておく。

洗濯機を回すのは朝と夜。

夜の分は部屋干しで間に合わせている。


そして、夫が帰ってきて、一日の出来事を話す。

その話してる内容はそんなに大きな話ではないけれど、夫が帰ってきて、子供たちの様子を聞きたがるのは、私にも嬉しいことだし、遅くまで家族のために働いてくれることも感謝していた。


ある日の夜、夫が求めてきた。


その時にはあの忌々しい情事はきれいさっぱりなくなっていた。

夫に抱かれて精神的にも安定し、夫婦としていられるという幸せな気持ちとともに眠りについた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る