第27話 久々

あのランチのあとも、私はできる限り家族と過ごし、家族に尽くそうとしていた。

忌々しい情事を思い出したときのあの不快感をなかなかぬぐえず、家事に育児に仕事に精を出していた。

そんな時だった。


彩斗を抱き上げてあやしているときに、ふと自分の体が熱いなと。

体温計で熱を測ったら、38度あった。

急いで夫にメールをした。

寝込んでいられないけれど、置き薬の使用期限もきれていたし、風邪薬を買ってきてほしいと、お願いしておいた。


熱があるからか、体は猛烈にだるく、食欲もない。

それを心配した、彩南が小さな手でお皿を並べたりと、よくお手伝いしてくれた。

ありがとうねと、ほほを近づけたら、

「ママー、あちゅいよぉ」

という。

そんなにかなとおもって、もう一度体温計で熱を測ってみたら、38度後半、もう高熱となってしまった。


夫が帰ってきたのは子供たちを寝かせたあとの、いつもの通りの時間だったが、風邪薬と、スポーツドリンクと栄養ドリンクを買って帰ってきてくれた。


仕事で遅くなってしまったと、謝られたけれど、家族のために頑張ってくれてるのだからと、感謝していた。


そして、次の日の仕事は休むようにと言われていた。

熱は夫の風邪薬と、栄養ドリンク、スポーツドリンクのおかげで次の日には微熱に、その次の日には嘘のように元気になっていった。


そして、またあわただしい毎日を送っていた。

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