第26話 ランチでランチ

待ちに待ったランチの日。

子供たちを保育園に預けて、家事を済ませて、お店に向かった。


理恵ちゃんが彼氏を連れてくるんだからおしゃれなお店だなと思いながら、待ち合わせのお店に車を停めて待っていた。


メールが届き、理恵ちゃんが遅れるとのことで先にお店に入ることになって、何も注文せずに、お店の雰囲気を一人で味わっていた。

アジアンテイストの、なんともいえない落ち着いた香りがするお店だった。



「さやちゃん!ごめんねぇ!!」

知った声がすると思い、その方向を見ると、理恵ちゃんが男性を連れてきていた。

あれが理恵ちゃんの彼氏なのかと思って挨拶をし、ランチを楽しんだ。


ランチはとてもおいしく、会話も弾む。理恵ちゃんとその男性はまだお付き合いはしてないけれど、なんとなくいい雰囲気だった。その時、あの、忌々しい亮君との情事がよみがえり、気分が悪くなり、少し席を外した。

やはり、あのようなことは私はもうしないと心から誓っているんだと気づき、夫への懺悔の気持ちもしっかりもてていることも自分で確認できたことで、気分はおさまり席に戻った。


そして、理恵ちゃんが、

「さやちゃん、子供さんも連れて、こんどディナーなんてどう?」

と言われて、びっくりした。

「無理だよ、さすがに三人をつれて夜出歩くのも無理だし、眠くなってくる時間だと、困るもん」

そう返事をしていたら、理恵ちゃんとその男性は、じゃあ、ホームパーティーじゃないけど、お好み焼きとか焼いちゃう?とか盛り上がっていた。

この時、もうこんなふうには戻れないなと思いつつ、二人の話を聞いていた。


理恵ちゃんが連れてきた男性の友達が近くまで来ているらしく、二人に呼ばれて、お店に来た。


その男性は営業の仕事をしていて、ちょうどお昼ご飯がまだだったとのことで、合流したというわけだ。


理恵ちゃんと理恵ちゃんの彼氏になる男性は、二人で会話を弾ませていたので、私は、そのもう一人の男性と、初めましてなどと、あいさつをし、ぎこちなくも話していた。

ちょうど、映画の話になっていて、趣味が合うなと思った。

名前を聞いたら、春樹という名前だった。

私は、春に生まれたのかなど、いろいろと話してるうちに、連絡先の交換をしていた。

もちろん、結婚していることも話していたし、子供がいて、家族で仲良くしている話などもしていたため、以前とは違い、お友達として仲良くできたらいいなと思った。


そして、理恵ちゃんと理恵ちゃんの彼氏になる男性、春樹君、私とでまたランチをしようという約束をして、夕方前には解散した。


とてもとても楽しい時間だった。

もう間違いは起こさない、夫を裏切らない、こどもを裏切らないと誓っていた。



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