第22話 結んだ子

夜に寝たのか、今は朝なのか、わからないくらい目まぐるしい日々を送っていた。


自分が産んだ子供、育てるのも自分、わかっているけれど、休みなしで永遠にこの泣き声が続くのかと、少し鬱っぽくなることもあった。


彩南と同時に、一歳になった彩幸も同じ保育園に入園することができた。

彩斗は相変わらずよく泣くし、抱っこしてないとぐずるしで、男の子って大変だなと思った。


それでも、やっぱり、寝てる顔をみると、天使だった。

女の子二人と、男の子一人の母。

この環境は自分にとって幸せなのだと思う瞬間がいっぱいあった。


夫は今まで通り・・・とはいかなくなってきた。

彩斗の首が座るころには、言われてみれば、亮君に似ている。

でも、どちらかと言えば、私に似ているし、上の二人にも似ている。

私は産んだから、可愛く思っているけど、夫は自分の子供ではないということが段々現実になってきたと疲れてきている様子だった。

私たちは幾度となくそのことについて話し合ってきた。


亮君は会社を辞め、自分の地元に帰ったらしい。

もう会うこともないし、彩斗のパパは夫。

戸籍ももちろんそんな複雑なことは記載されるはずもない。

だから、一生、夫婦で黙って、墓場まで持っていこうと話し合っていた。


そんな思いの中子育てをしていたけれど、やっぱりなんだか違う。

夫の様子が違う。

彩南や彩幸のときとは全然違う。


理由なんてもうわかっている。

でも、芽生えたいのちをはぐくみ、産み、育てることを決めたのは私だけじゃない、夫もたくさん話し合って決めたことだ。

かといって、夫に女の気配は全くない。

浮気をしているということもない。


私には不安がどんどん重なっていき、子供につらく当たることも多くなってきた。

手を挙げることはなかったけど、言うことを聞かなかったりすると、話して解決していたことが、怒鳴ってしまうこともおおくなり、怒鳴ってしばらくすると、反省して・・・それを繰り返すようになってきた。








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