第21話 少しのこと
彩斗と退院してきた日のこと。
彩南と、彩幸が実家の母と、家の中を片付けて待っていてくれた。
彩幸はよちよち歩きだったけど、歩けるから、みんなで玄関で出迎えてくれた。
我が家に新しい家族となった彩斗は、それはそれは男の子ということもあり、本当にいろんなことが違ったりして、驚くことも多かったけど、一番つらいのは、彩南よりも、彩幸よりも、ミルクの時間がとても短いスパンで、夜泣きどころか一日中泣いてる感覚だった。
実家の母が通って、手伝ってくれてるけれど、夜泣きというより、夜通し泣かれることにとても疲れていた。
そして、夫は今まで通り、仕事にでかけ遅くに帰ってくる。
帰ってきたら彩斗のそばには来るけれど、段々それもなくなってきた。
男の子だけど、私のお腹から出てきたけど、やはり、違う男の子供という葛藤があったと後から聞かされたのだが、その時は疲れているのに、彩斗の夜泣きで起きてしまったりして、さらに疲れてるのだろうな・・・。
そんなふうにしか受け止め切れなかった。
毎日が必死、毎日が子育ての最中、毎日が子供に囲まれている、こんなに夢のような幸せなことが、日々の疲れがたまってくると、どんどん不幸に思ってくるから不思議だ。
それでも頑張ろう、頑張ろう、そうしてきた。
彩斗が生まれたことを会社で聞いたであろう亮君から連絡があったのは彩斗が生まれてから半年たったくらいだったけれど、二度と連絡を取りたくないから無視をした。
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