第19話 手が離れても

母に話してからの私は、本当にこの選択でよかったのか、それは間違いではなかったのか、いや、彩南や彩幸からしたら、かわいい妹や弟ができることはいいことではないか。

自分を正当化してみたり、責めてみたり。


精神的に、負い目があるという状態で生活をしていると、食欲もなくなり、動くことも辛くなってくる。

でも、夫には今まで以上に尽くさなければ、産むこと、育てることを許してくれたのだから。

ただ、精神的にも肉体的にもどんどん追い詰められていく、そんな気分が続く。


彩南をお迎えに行く時間に、彩幸がお昼寝から起きない。

すやすや寝ている。

安全だけ注意して、すぐそこだからと、ぬいぐるみで囲んでお布団をきちんとかけてやって、静かに出て行って、彩南をお迎えにいき、急いで帰ってきたら、まだ彩幸は寝ていた。

ホッとした、少しでも目を離してはいけないとおもっていたから、まだつかまり立ちもできてないけど、それでも、やはり一人きりにするのは危ないから迷ったけど、それでもたった数分のことだったからなんとか無事だった。

こんなことが何度かあって、

「なーんだ、けっこう大丈夫じゃないの」

と、調子に乗るのはまだまだ先のことだけど、この経験があとからの子供たちが一番大切な時期にきちんとしてやれなくなっていく第一歩でもあったのだ。




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