第16話 反対されようとも
毎日が風のように去っていく。
彩南は朝からグズグズいいながら保育園に。
彩幸は朝からリビングをひっ散らかして。
片付けたらお昼ご飯、お昼寝をさせている間に、洗濯や掃除などをする。
夕方になったら彩幸をつれて、彩南をお迎えに行って、帰ってきたら、ご飯とお風呂。
明日の準備をしてたら、子供たちと寝てしまう。
そんなことが続いていた。
お腹の子はすでに4か月。
病院では産むということで話を一人で勝手に進めていた。
夫に話すことはこの今の何ともない幸せですら、なくしてしまうかもしれない。
でも、もう言わなければお腹も目立ってくる。
覚悟を決めて子供たちが寝静まってから、夫が帰ってくるまで起きて待っていた。
夫は、
「まだ起きてたの?」
と言いながら、手を洗いにいき、シャワーを浴びに行った。
私は口から心臓が出てきそうとはこのことかと思いながら、その時を待った。
夫は遅めの晩御飯を食べ始めた。
妊娠していること、今、4か月であること、それだけを話してみた。
それはどこかでやった、三人目か!って自分の子だと勘違いしてほしい希望を捨てていなかったからだ。
しばらく沈黙が続き、夫が言った。
「俺たち、忙しかったよね?彩幸が生まれてから特に。」
言葉を選んでいる様子だった。
実はと切り出し、今までの亮君との情事を話した。
今のお腹の子供は亮君の子供であることも言った。
夫はずっとうなづきもせず、話を聞いていた。
そして、夫は急に大粒の涙を流す。
こんなに傷つけてしまったんだ・・・。
そう思ったけれど、現実の問題もあるから私は涙をこらえた。
しばらく、沈黙が続いていた。
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