第14話 失敗のもとではない

検査薬で陽性になったことで、胃腸風邪だと思ってから、何か月もたっていたから、病院に行くのも怖い。

これは誰に相談するものなのかもわからなかった。

母親に相談したところで、きっと悲しまれる。

亮君には話そうかと思うが、責任能力がないこともわかっている。

夫にいうとしても・・・夫とは思い当たる節がないから、きっと責められる・・・。


でも、新しい命には何の罪もない。

私にはこの命を育てるという選択肢しかなかった。

それによって失うものがたくさんあることもわかっている。

それでも芽生えてくれた命だから、どうしても産みたかった。


陽性判明してから2週間悩んだ末にまずは亮君を呼び出し、赤ちゃんができていることを話した。

まさかの態度に少しがっかりしてしまった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る