第9話 新しい家族

長女を一人っ子にするつもりはなかった。

兄弟がいる中で、たくさんのことを学んでほしいと思っていたし、何より、寂しい思いもさせたくなかったし、いろんな思いもあって、兄弟を産んであげたかった。


次女を産んだ時、長女の数倍ラクに産めた。

ある程度の覚悟をして、臨んだ次女の出産がこんなに楽なものかというくらいすんなりと出てきてくれた。

それでも長女の出産と同様、とても感動したし、いとおしく思った。


そして、夫も立ち会ってくれていて、次女の誕生を涙ながらに喜んでくれた。

名前はその日の夜に、夫と二人で考えた。


「彩」という字を付けたいなと思っていたので、たくさんの字を調べて、幸せになってほしいと願いをこめて

「彩幸」

さゆき、と名付けた。


四人家族となり、彩南がお姉ちゃんということをまだ理解もできてないけれど、可愛い赤ちゃんが家に来たと喜んでくれていた。


私の中では母であることをもっと強く言い聞かせることとなった。

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