第2話 母である

母子家庭で育った私。

高校受験はしたものの結局中退そしてしまった。

学歴に後悔はないけれど、いわゆる高校時代というものを味わえなかったことが少し悔やまれる。


仕事は工場の作業員や、接客のお仕事などをして、自立を目指した。

そして、工場で働いていた時に、同じ職場の先輩と結婚した。

ほどなくして、長女がお腹に宿ってくれた。

初めてのことで、慣れないこともあったけれど、母から言われたのは、

「安産だったねぇ」

の一言だった。

あんなに痛かったのに、あんなに辛かったのに、安産だったなんて、では難産とはどんなに苦しいものなのだろう・・・、まさに命がけで子を産むというのはこのことかと、出産という戦いに勝利した、何か強くなった気がしていた。



日々子育てに追われながらも、夫と協力して、忙しいながらも楽しい日々を送っていた。


長女が一歳になったころ、次女がお腹に宿ってくれた。


性別は、生まれるまで聞かないでおこうかとも思ったけど、待ちきれず、お医者さんに聞いた。

女の子とわかった時、長女がお姉ちゃんになり、姉妹になるということで私の中では本当に幸せな気持ちだった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る