第7話 ゲームで宝箱って嬉しいけど中身がアレだと嫌だよね
午前の授業が終わると同時に月乃は俺の席にやってきて作った弁当を俺に渡し、そして。
「部室で食べない?」
そんな提案をしてきた。
確かに、ギャルゲーでは部室で食べるというイベントシーンがあるからいいとは思うが……。
「それだと昼にも依頼者が来るだろ。部活動の活動時間としては放課後がメインなんだし」
「え?べつにいいじゃん」
「よくないが?」
忙しくなって俺のギャルゲーをプレイする時間が減るだろうが。
あと、月乃の思考がブラック企業のそれに近くないか!?
「私の時は昼休みに話を聞いてくれたじゃん」
それはお前が俺に話しかけたからだろうが。
「それに、偉い人も言ってたよ?世の中はみんな平等だー!ってさ」
「それは平等に機会が与えられているだけって話で……いやなんでもないです」
というわけで、俺たちは部室で昼ご飯を食べるべく移動することにしたのだが……。
「おっww重い女じゃんwwもう相手見つけたのかよww」
このイケメンが月乃を振った相手か。
イケメンだけど“俺はイケメンなんだぜ!”みたいな感があって嫌悪感がすごいな。
「クソ不味い弁当をまた作ったコイツに食わせるのか?ww」
「美味しかったんで。まぁ、料理ってのは味付けとかの関係上感じ方は人それぞれだからしょうがないけどさ……作ってきてくれたんだから感謝しなよ。そんなこともできないの?イケメンだからそれが当たり前なのか?ところで、今の彼女さんは作ってきてくれるのかな?」
「はっ!うっざ!」
イケメン君がキレてどこかに歩いて行ってしまった。
あれれ?もしかして煽り耐性がない?
というか、月乃と付き合ってないけどww
隣を歩いてるだけで付き合ってるとか脳内お花畑なんだねww
これ言ったらどうなってたんだろ。
ブチギレてバーサーカーモードになるんだろうか。
なんかそれはそれで面白そうだ。
「九条」
「ん?どうした?」
「んーん、なんでもないよっ!」
「いでっ!?」
月乃に背中を思いっきり叩かれた。
解せぬ。
部室に着くと月乃から受け取った弁当の蓋を開ける。
俺は玉子焼きを入れてくれと確かに言った。
けどさ……。
おかずの9割が玉子焼きでビビった。
弁当の蓋を開けるとご飯の白と卵の黄色なんだぞ!?
でも、ちょうどいいしょっぱさで美味しいからよしっ!
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