第3話 失恋からの立ち直り、そしてデストロイ!

午後の授業が終わり、今は放課後。


俺はボランティア(旧ギャルゲー愛好会)部の部室に今日はどのギャルゲーをプレイしようかな?なんて考えながら向かう。


この感じ、俺的にはめちゃくちゃ好きです。


わかりやすく例えるならSNSでマスターアップしました!というお知らせを見てから発売日まで待つ感じだ。


マスターアップのお知らせを見ないと延期するのか!?と思いヒヤヒヤしながら発売日まで待つことになるから嫌なんだよね。


「九条〜!」

「どわっ!?」


背中に強い衝撃。


振り返るとそこにいたのは月乃だった。


「……なにしてんの?」

「九条だと思って突進した」

「なんで俺だと確信したんだよ。俺じゃない可能性だってあるだろ?」

「二次元の可愛い女の子のストラップ」


……なるほど!


さすが、プリラブに出てくる沙月たん!


ちなみにプリラブはプリート・ラブリーというギャルゲーで、ヒロインが従妹、義妹、実妹と妹萌えが好きな人には是非勧めたい作品で、俺の推しは実妹の沙月たんだ。


先輩にも勧めた最推しのギャルゲーのひとつだったりする。


「どうしたの?」

「なんでもない」

「ふーん」


俺たちの間に沈黙の時間が訪れる。


はっきり言って気まずい。


「月乃はなんで俺についてくるんだ?」

「ボランティア部に入部希望だからだけど?だってあのクソ男のせいで私の友人関係はズタボロになって修復不可能だから放課後暇なんだよね」

「なるほど」

「うん。九条とおそろのぼっちだよ〜♪」


なんで嬉しそうにするんだよ。


あっ、そうだ!


「ボランティア部に入部希望なら話しておくけど、ボランティア部は依頼主が来ないと実質ギャルゲー愛好会の活動になるから俺は遠慮なくギャルゲーをプレイするけどいいか?」

「ぎゃるげー?なにそれ」


だろうと思ったよ。


無類のギャルゲー好きの俺からしたら悲しいよ。日本独自のサブカルチャーなのにさ!


「魅力的な女の子とイチャイチャするゲームだ」

「要するにハーレム?」

「違う!最初はヒロイン全員と接するが、最終的には1人に決めてイチャイチャするんだよ!」

「へー」


聞かれたから答えたのに……興味なしかよ。


まあ、女子からしたらだからどうした?みたいな感じなのかね。知らんけど。


そんなことはさておき。


「ついたぞ」

「……なんで部室の前に美少女キャラのポスターが?」

「美少女ゲーム愛好会だからだが……ダメか?」

「私だったらここがボランティア部だとしても入りたくない」


なるほど。なら、このままでいいか。


その方がギャルゲーし放題——ビリビリっ!


「ストップ!なにしてるんだ!?」

「これだと相談したい人が入りずらいから撤去してるの」

「いやいや!?」

「なに?」


月乃はその間もビリビリ破きながら取っていく。


すまん、俺にはなにもできない。


……ごめんよ。

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