第7話 帰還

「ムフフフっ!」

 ニコニコと笑顔が眩しい静所アリサ・25歳。今回も競輪の神様との勝負を制して、見事にの決勝で二車単を的中させた。

 無人払い戻し機へ、的中した二車単の車券を投入する。払い戻し機の画面には、華々しく『的中』の文字と共に「6700円」と表示される。


 アリサが払い戻しをする傍らで、恨めしそうに彼女を見る競輪の神様。そんな神様を見てアリサは一言。

「いやあ、久々に気分良く勝てました。これも神様のおかげですね。ありがたや、ありがたや」

 アリサの大袈裟なリアクションを見た神様が、またも体を震わせている。

「ぐぬぬぬっ!」

「そんな顔しないでよ、神様。ビールの一杯ぐらい奢りますよ!」

 調子に乗って神様をおちょくるアリサ。すると、払い戻し機から出てきた6700円が宙に浮かぶ。


「あっ!ちょっと!」

「ふん!競輪の神様をコケにしおって!この6700円は御賽銭として頂いておくわい!」

「ちょっと!また、それ!返しなさいよ、私の6700円!」

「うるさいわい!さっさと元の世界へ帰るがいい!」

 競輪の神様がそういうと、アリサはまたも眩い光に包まれた。

「ちょっと!ずるいわよ!私はちゃんと勝ったんだから!」

アリサの抗議も虚しく、彼女は意識を失った。

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