第6話 大勝利
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!取ったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
京王閣競輪の場内テレビで、⑦番選手が最終2センターから一気にゴール線を駆け抜けた瞬間、アリサは絶叫と共に倒れた。
「ママ。私、やったよ・・・。異世界でも、魔法が無くても、やれる子なんだよ・・・」
嬉しさのあまり涙を流すアリサ。一方、その傍らで呆然とする競輪の神様。
「ウソでしょ・・・」
アリサは見事に穴目予想である二車単④⑤⑦⑧のBOXを的中させた。
小倉競輪場からの決定放送が京王閣にも流れる。この世界の競輪祭GⅠの決勝戦は、⑦-⑤-④で確定。二車単の払戻金は、6700円。三連単は、55370円の高配当だった。
文句なしの結果だった。落車や車体故障のアクシデントも無し。白熱したレースで、見事にバチっと二車単を的中させた。まさに感無量だ。ゆっくり起き上がるアリサ。そして、憎たらしいほどのドヤ顔で競輪の神様へ言う。
「いやあ、最高の競輪祭でしたね。神様。文句無しの大当たりですよ?」
「ふふっ・・・。でも、優勝者は外したよな・・・」
プルプル震えながら、まるで何かにジッと耐えるように話す競輪の神様。
「でも、約束は果たしました。ちゃんと、二車単を当てました!事故も、落車もありません。何も文句はないでしょう?」
ニヤニヤのアリサに対して、顔が真っ赤な競輪の神様。
「さっ、払い戻し!払い戻し!」
ウキウキとしながら無人払い戻し機へ向かうアリサなのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます