第26話 第四章 王都再び

「ついた……」


 見る者に安心感を与える城壁、活気のある街道、そして、中央にある巨大な城。

 俺は、再び王都に来ていた。


 俺は、迷わずに道を進んでいく。

 まずは、冒険者ギルドに行く。

 前に来たギルドと違い、活気に溢れていた。

 変な依頼がないか確認をする。


 そして、すぐに外に出て次は、図書館に行く。

 ここは、貴族やユニークスキル持ちが通う、王都学校の生徒が来ることもあり、ある程度の身分が無いと入ることもできない。

 だがそれに関しては問題ない。


「何か、身分を保証するものは、ありますか?」


「ギルドカードがあります」


 そう言ってギルドカードを渡す。


 ピーー


「Aランク冒険者のアルさんですね。どうぞ」


 Aランク冒険者は、実力さえあればなる事のできるBランク冒険者までとは違い、

 貴族等からの依頼も受けるため、依頼達成率が高く、人格的に問題のない人物しかなることの出来ないのだ。


 そして、しばらく歩くと目的の本を見つけることが出来た。


“第103期生、卒業記録”


 ペラペラとめくっていく。

 まあこれは、俺がいなくなってから二年後、

 俺が卒業するはずの年の本だ。


「やっぱり……」


 卒業記録には、留学する生徒の名前が載っているはずだ。

 だが、卒業記録には、留学するはずのミアのことが、一切記載されていなかった。 

  

 そして、誰もそのことに違和感を持っていないのだ。

 ミアは、[賢者]というユニークスキルを持っていて、いろいろ魔法関連でやらかしていたにも関わらずだ。


「よし、行くか」


表向き、俺は死んでいるため、正面衝突は論外だ。

かと言って教員にはもちろんなれない。

だとすれば、手段は一つだ。


「不法侵入するか」

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