第25話 第四章 旅立ち

 あれから、数週間が経った。


 メアリーには、定期的に修業? というかアドバイスをしていたが、それももう終わりだ。 


「師匠、もう行かれるのですね」

「うん……」


 俺は、明日この街を出ていく。

 元々、目的地までの道にあったから、

 懐かしさで寄っただけだ。

 ここにとどまる理由はない。 


「師匠、お願いがあるのです」 

「なに?」

「最後に本気を出してください」



「……分かった。本気を出そう」


 そうして、俺は手につけた腕輪を外した。


【スキル[虹魔武闘術Lv4]が開放されました。

 スキル[虹魔武闘術]のLvが6になりました】


「やっぱり、“封印の腕輪”」


 封印の腕輪、スキルを封じる代わりに、増えじている間は、封じたスキルの成長率が増加する魔道具。


「じゃあ、行くよ」

  

 シュン!


 メアリーに向かって突撃する。

 剣は抜かない。


 流石に、剣も抜かずに突撃するとは、思ってもなかったのか、ワンテンポ遅れて対応する。 


「はぁ!」


 剣が俺に向かってくる。 

 けど俺はもう魔法を使える。


「[魔壁]」


 カキンッ



「っ!」


 メアリーは驚いている。

 まあ俺はなんの動作もせずに魔法を発動したからな。

 そしてその隙を俺は見逃さない。


 ブンッ


 俺は拳を振り抜いた。

 しかし、手応えはない。


「やぁ!」


 剣が再び首に向かって放たれる。


 俺は右足を軸に回し蹴りをし、それを躱した。


「きゃあ」


 可愛らしい悲鳴が聞こえたが、容赦はしない。


「[虹爆]」


「ぎゃぁ」


 俺は、Lv5の魔法でメアリーに追い打ちをかけた。


 流石にやりすぎたか……?


 と思っていると、


 ヒュン、


 双剣が飛んできた。

 慌てて避ける。


「はぁ、はぁ、まだ戦えます」 


「戦闘意欲はいいけど、武器飛んでいったよ」


「あ」


 最後の特訓は、締まらない形で終わった。












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