第22話 第四章 ブロローグ



更新遅れました! ごめんなさい


――――――――――――――――――――


 あれから3年が経った。

 ここは冒険者ギルド、俺は適当に依頼を見て、そして受付に行く。


「この依頼受けます」

 

 俺は、冒険者になっていた。


「え……ねえ君、これCランクの依頼ですが」

「はい、お願いします」


 この街に来たのが久しぶりだったためか、受付嬢が新しくなっている。


「あのね、今は普段より忙しいの。

 いたずらは辞めようね」 


 忙しい? ダンジョンや特別な長所がないから、常に過疎っていて、

 くっついている酒場しか使われていなかったこのギルドが?


 周りを見渡してみる。

 確かに前来たときより冒険者も受付嬢も増えている。


「分かった? じゃあいたずら早めて帰ってね」

「あ、待ってください、冒険者カード見せます」


「はいはい冒険者カードね」


 そう言って慣れたようにカードを押し当てる。


 ピーー


 もちろん本物のため音がなる。


「え……」



 冒険者カード、冒険者であることの証明する物。

 冒険者ギルドが作られた時から使われており、

 特殊な魔法を何重とかけているため、冒険者カードを偽造するぐらいなら、

 硬貨を偽造するほうが楽とまで言われている。


 当然、受付嬢がそれを知らない訳もなく。


「す、すいませんでした! Cランク冒険者と知らず」


「いえいえ、いいですよ」


 まあ普通は、13歳がCランク……冒険者歴10年ぐらいの人がなる中堅……とは思わないし。


 ガンッ!


 酒場で昼間から飲んでいた人が、突然木のグラスを机に叩きつけた。


「あ? お前みたいなガキが、ヒックッ、Cランクだって? そんなことあるわけ無いだろ〜」


 ギャハギャハと笑いながら絡んできた。

 周りもその態度には引いてるが同じことを思ってるみたいだ。


「嘘つきは〜いっけね〜なあ〜」 

 そう言って剣を鞘から抜いた。 


 それを見て周りも焦る。

 流石に子供に剣を向けるのはやりすぎだと思ったのだろう。


 それに、ただでさえ実力さえあれば、何でも許されると勘違いした冒険者が、各地で迷惑を掛けて信頼がなくなっていってるのだ。


 そこに子供を殺した、なんて悪評まで加わればあとはもうお察しだろう。


「ちょっとやめ」 

 受付嬢も俺がCランクであることを忘れて注意する。


「や〜めませ〜ん」 


 酔ってる割には剣筋が乱れてない。

 だけど、俺には意味はない。


「[威嚇]」


 その瞬間、

 周りの動きが止まった。

 酔った冒険者は剣を構えて止まり、

 周りの人は、固まっている。


 もちろん[威嚇]には動きを止めるような効果はない。

 効果は唯一つ、自分よりレベルの低い相手の戦意を消失させ、威圧感を感じさせる。


 ただそれだけだ。

 まあ、これだけ反応があるって事は……


「じゃあこの依頼受けますね」

 俺は、今の内に冒険者ギルドを出た。








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