第11話 第二章 王都学校

「えー、皆さんに新しい仲間ができました。アルくん、自己紹介をしてください」


「アルです。よろしくおねがいします」


 俺は、王都の学校、その教室で自己紹介をしていた。

 1番前の席に座っているミアが、ポカーンとした顔をしている。

 ちょっと面白い。


「じゃあアルくんは……ユイナちゃんの隣、一番奥に座ってね」


「はい、わかりました」



 言われた場所に座る。


「よろしく」


 すると、ユイナちゃん? が話しかけてきた。

「よろしくね」


「それじゃあ、アルくんのために、復習もかねて魔法のことについて話します」


 そうして、授業が始まった。


 ……


「……なので、魔法とスキルは表裏一体。

 魔法は基本となる[魔力感知][魔力操作]、

 そして各魔法スキルがあって初めて魔法を使うことができます。そして、スキルレベル以上の魔法は取得できません」


 なるほど、普通はスキルがないと魔法が使えないらしい。

 まあ当たり前か。

 そもそもスキルを失うということ自体が、よほどのことがない限りありえないからな。

 俺は例外だ。


 真・魔法使い……スキルに頼らず自力で魔法を習得した者に与えられる称号。

 魔法のあらゆる制限が解除される代わりに、

 スキルによる補助を一切受けれなくなる。


 これによって、上位の魔法を習得するだけではなく、多分自分で魔法を作ったりもできる……と思う。


「それでは、授業を終わります。

 気をつけ、礼」 


「「ありがとうございました」」


 そうこう考えているうちに、授業が終わった。

 そして、俺の周りにクラスメイトが近づいてきた。


「よろしく〜」

「アル! なんでここにいるの」

「どこから来たの?」

「ねぇねぇ、ユニークスキル何なの?」

「こら! ユニークスキルは聞いちゃだめって言われてるでしょ!」 


 ……しばらく経つと、満足したのかみんな去っていった。


「やっとみんないなくなった……

 アル! どうしてここにいるの」


「ミア、だから言っただろう。俺にもユニークスキルがあるって」


「いや、あれは励ますためだと……

 もう! 学校終わったら、校門前まで来てね。王都案内するから」


 おお! それは助かる。

 俺はまだ王都に何があるのか知らないからな。


「分かった」


 そうして、あっという間に授業時間が過ぎ、

 学校が終わった。


 言われたとおりに、校門前まで行こうとすると、


「お前ふざけんなよ、ちょっと年下だからって調子に乗りやがって」

「何を言ってるのよ。そっちがぶつかってきたんでしょ」


 同じくらいの年の女の子が、10歳くらいの少年と、言い争いをしていた。


「こい! ついてこい! 俺様をバカにしたことを後悔させてやるよ」


「いや! 離して! 誰か、助けて!!」


 そうして、少女は腕を掴まれどこかに連れ去られていった。



 ……やばいものを見てしまった、すぐに追いかける。


「くらえ! 炎槍!」

「きゃあっ!!」


「っ! 水壁」


 少年が、[火魔法Lv3]で覚えるという魔法を使ったので、咄嗟に有利属性かつ防御魔法である[水壁]を使う。


「あれ? ……お前か! 邪魔すんなよ」

 

「邪魔すんなよって……お前貴族なら、親にいじめちゃいけないとか、言われなかったのか……」


「うるさいうるさい、うるさい! 俺様は貴族なんだぞ! お前、顔覚えたからな。覚悟しろよ」


そう言って、自称貴族は逃げるように、この場から去った。


「さて、ねえ大丈夫?」


「大丈夫よ……イタッ」


少女は、立ち上がろうとしたが、出来なかった。どうやら足を怪我しているようだ。


「[回復ヒール]……どう? 治った?」


「あれ、痛くなくなった? あなた、もしかして[光魔法]を使えるの?」


「うん、そうだよ」


「そう、ありがと。私、ソフィアっていうの。よろしく」


そうして、ソフィアは、今度お礼させてと言って去っていった。


「ふう、疲れた……」

ほぼMPは減っていないが、初めての

対人戦? はかなり疲れた。

今日はもう帰ろう。


この時、俺はショッキングな出来事が多くて忘れていた。

ミアとの約束を。


「まだかな、アル」


後日、ミアに土下座ぎりぎりの謝罪をし、人助けをしたこともあり、なんとか許してもらった。






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