第6話 不思議な少年(ミア視点)


 私ミア! 3歳!


 私は、村を歩いていたの。するとね、綺麗な赤い髪をした男の子……アルが外を歩いていたの。

 

 アルは、あんまり外に出てなかったのに、今日は、外に出ていたの! 私は、何をするのか気になってアルをこっそり追いかけたの。


 するとね、普段は入っちゃだめと言われている、森の中に入っていったんだ。


 ママに魔物がいるから入っちゃだめと言われていたから少しだけ、怖かったけど勇気を、振り絞ってついていったの。


 そして、少し開けた場所につくと、


 目を瞑ってなにかぶつぶつと言い始めたんだ。

 私には、半分もわからなかったけど、するとね、水がね、アルの手から出たんだ。


 私! すごいもの見ちゃった。

 バキッ

 興奮して、落ちていた木の枝を折っちゃった。


「誰?」


 アルにバレちゃった。けど、すごいものを見た私は、止まれなかった。


「ねえ? さっきのどうやったの?」

「さっきのって?」

「ほら、手から水が出たじゃん、どうやったの?」


 そう言うと、アルは、「見てたのか……」と言いたげな顔をした。

 アルは、しばらく考えてこう言った。


「秘密」

「教えて!」

「駄目」

「……友達に言うよ」


 最後の一言で、アルは、困った顔をした。


「……分かったよ。だけど絶対に! 秘密にしてね」

「分かった! 頑張る!」


 そうして、私の秘密の魔法の特訓が始まった。



        ◇

 


 私、ミア。5歳になったばかり。


「できた! できたよ。アル!」


 私はね、ついに4属性魔法を取得全て同時に使うことに成功したの。


 するとね、アルがとても褒めてくれるんだ。


「そろそろ鑑定の儀式だよね」

「うん。早くステータスが見れるようになりたいね」


 正直、鑑定の儀式がなにかよく分からないけど、ステータス? って言うものが見えるらしいよ。

 けどアルが喜んでるから、こっちも喜ぶ。


 しばらくすると、アルは帰っていったけど、

 私はね、ずっと練習するの。

 だってね、うまくいくと、アルが喜ぶから。


 この時、私は集中して、気付いてなかった。

 近くに大きな魔力があることを。


 気づいたのは、しばらくしてから。

「……!? 誰なの」


 気づいたら、魔力の塊は、すぐ近くにまで近づいていた。


「[土壁]」


 土で出来た2m位の壁が、魔力の塊と私の間にできる。

 とっさの判断で、覚えている中で最も硬い、防御魔法をを使ったが、その判断は正しかった。


 次の瞬間、魔力の塊、魔物が土壁を突き破ってきた。


「[火弾]!」

 予め準備しておいた[火弾]でなんとか倒すことができた。

 だけど安心はできない。だってまだまだ魔物は、たくさんいるから。


「はぁ、はぁ、[風弾]!」

 あれから、数時間は経った。 

 

 魔法は、消費が少ない[風弾]だけを使うようにし、

 防御はせず、出来るだけ逃げるようにしていたけど、

 魔力も残り少ないし、もう逃げる力も残っていない。

 そろそろ限界かも……。


「アル、ごめんね……」


 私の目の前に狼の姿をした、魔物の爪が来ていた。


「[火弾][火弾][火弾]!」


 私の目の前にいた魔物は、[火弾]でどこかに吹っ飛んでいた。 


「ミア! 大丈夫か」


 アルが、来ていた。






  

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