第3話 ミア
それから一週間後、俺は魔物が出ない森の浅い所に来ていた。ここなら人目につかないし、何かやらかしても大丈夫だからだ。
そこで、俺は母さんに言われたことを思い出す。
「魔法には、基本の無属性と、火、水、土、風の4属性と、特殊の光、闇属性がある」
正確には、複合属性や、上位属性などいろいろあるらしいが、取り敢えずこれを覚えておけばいいらしい。
「魔法取得で一番大変なのは、魔力を感じることであり、次に魔力を操ることである」
これに関しては、もうクリアしている。
「最後に、その魔力を変換したものが、4属性魔法である」
ちなみを[無属性魔法]は、魔力を固めたりしているだけで変換をしていないらしい。
水、水、水に魔力を変換する。……なかなかうまく行かない。
「大事なのは、イメージ。イメージができていないと何もできない」
ひたすら、ひたすらに水をイメージする。
水、雨、海、オレンジジュース……これは違う。
水に関係するものをひたすらに考える。
そうしている内に、ちょっとずつ魔力が変化していき、
ビチャ
目を開けると、手が水で濡れていた。
【スキル[水属性魔法]、魔法[ウォーターボール]を取得しました。】
「できた……」
そうして、[水属性魔法]を取得した達成感に浸っていると、
バキッ
後ろに木の枝が折れた音がした。
「誰?」
後を振り返ると、金髪碧眼の少女……幼なじみのミアがいた。
どうしてここにいるのだろう?
ここは、浅いとはいえ魔物が出ない可能性が、ないわけではないから、普段親がそれとなく行かせないようにしているはずなのに。
それに、幼なじみとはいえ、普段は他の子と遊んでいて、基本的に家に籠もっている俺とは関わりはないはずだが。
「ねえ? さっきのどうやったの?」
「さっきのって?」
「ほら、手から水が出たじゃん、どうやったの?」
あー、見ていたのか。どうしよ
「秘密」
「教えて!」
「駄目」
「……友達に言うよ」
……困った。俺は、母さんに魔法に教えてもらうときに、
魔法は使える人は、少ないからもしかしたら人ざらいにあうかもしれない。
だから周りの人に言いふらしちゃ駄目と言われているのだ。
この子の性格上本当にやりかねない。というかやるだろう。
「……分かったよ。だけど絶対に! 秘密にしてね」
「分かった! 頑張る!」
……早速不安になってきた。
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