新しい家族?

入ってきたのは、女の人3人と男の人2人だった。みんな美形で物凄く絵になる。僕が黙っていると、各々自己紹介してくれた。


「私はクリスティーナです。まわりにはクリスと呼ばれてます。よろしくね。」


「僕はヴィンセント。ヴィーって呼ばれてるよ。よろしく。」


「私はマリアーノです。皆にはマリアと呼ばれます。よろしくお願いします。」


「俺はアルフレッドだ。まわりにはアルって呼ばれる。これからよろしくな。」


「私はアンジェリカよ。よく、アンジェと呼ばれるわ。よろしくね。」


めっちゃよろしくされてる………何で?この人達が僕の新しい主なのかな。優しそうな方達だけど、信用していいのかな。

僕がまだ黙ったままなのが気になったのか、ラインハルトさんが首を傾げる。


「………主様??」


「「「「……えっっ??」」」」


思ったことを口に出したら、みんなに不思議そうな顔された。ますます分かんなくなって僕も首を傾げる。



「ライ?」


「私は何も言っていないよ。」


「じゃあ、どういうことなのでしょうか。」



「ねえ、君。主様って?どういうこと?父様は君に主従契約を行ったの?」


「??」


ヴィンセントさんが問いかけてくるけど、意味がわからず、また首を傾げる。


「うーん。君が今思ったこと、話してくれない?何がどうなって父様が主だと思ったのかな。」


ヴィンセントさんに促され、素直に思ったを話す。


「僕、保護?されたから。前の主様、僕のこと保護した人、よろしくされたし、、違う?」


訳が分かんなくて少し泣けてきた。人って混乱し過ぎると泣けるんだな。と思ってると、不意に頭にヴィンセントさんの手が乗せられた。


「それは違うよ。僕達は君と、家族になりたいの。主と従者じゃなくて、本物の家族。僕は、君の兄様になりたいんだよ。」


頭を撫でられながら言われて、呆然とする。

……家族。ホントになれるのかな。僕、何も出来ないのに。どうすればいいのかよく分からない。


「すまない。急に言われたら混乱させると思って言わなかったんだ。家族にならないとしても、ここにはいつでもいていいし、元気になるまではここにいていい。でも、もし、君に家族がいないのなら、私の息子になることを考えて欲しい。返事はいつでもいいから。」


沈黙を正しく困惑と受け取ったラインハルトさんがいつ答えを出してもいいと言ってくれた。なら、ゆっくり考えればいいか。


「………はい。」


僕の返事にみんなが息を吐き、安心したような表情をみせた。


「私たちは仕事や稽古事があるから戻るが、ヴィーはここに置いていくから、何か困ったことがあれば、この子を頼ってくれ。それでは、またな。」


そう言い残し、ヴィンセントさん以外の人はみんな出ていった。

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