7話 クリムの加入
翌朝、俺が目を覚ますと隣にルリアはいなかった。
「あれ、ルリアは?」
「ルリアなら朝早くから出かけたわよ」
「そうなんだ」
「えぇ、昨日、新しい服を買ってきたから着ていくんですって」
「へー」
「まあ軽く散歩程度だろうし、すぐに帰ってくるわよ」
確かにその通りかもしれない。
ルリアだって子供じゃないのだ、そこまで心配する必要も無いだろう。
俺は服を着替えて朝食を食べ、ギルドに向かう。
するとすでにルリアが待っていた。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
今日のルリアは普段とは違う服装だった。
胸元が大きく開いたシャツを着ており、その大きな谷間が強調されていた。
さらにその下には短いスカートを履いている。
普段は見えない太ももの肌色が眩しかった。
さらに髪の毛をポニーテールにしてまとめており、首筋が露になっている。
ルリアはスタイルもいいので、かなり似合っていた。
「おうルリア!結構かわいい格好ね」
「本当ですか?」
「ああ、よく似合ってるぞ」
「ありがとうございます!選んでよかった」
ルリアは嬉しそうにはしゃいでいる。
「それじゃ行きましょうか」
「ああ」
それから俺たちは街を散策することに。
リンネは家ですることがあるので二人での外出はそういえば初めてだった。
「どこに行く?」
「う~んそうですね……やっぱりおいしい物が食べたいなぁ」
「そうだよな」
「何かあるかな?」
「確かこの辺りに食堂があったはず」
「そこに行ってみようぜ」
「はい!」
そんなわけで俺たちはその店に向かうことに。
だが道中で意外な人物に声を掛けられた。
「おいそこのあんた! 久々じゃないか」
「ん?」
振り返るとそこにはクリムがいた。
「おお、お前は盗賊団の」
「覚えていてくれたのか。嬉しいねぇ」
「そりゃあな」
「ところで今暇かい?」
「まあ特に用事はないが」
「それは良かった。実はさ。あんたの冒険者パーティにあたしも入れてくれ!」
「はあ!?」
いきなり何を言い出すんだこいつは。
「ダメなのかい?」
「いやそういうことではなくてだな。そもそもなんでうちのパーティに入りたいんだよ」
「いやいや。実を言うとさ。この間の盗賊退治の時に思ったのさ。あたしら何やってんだろうなって。それで盗賊団は解散してみんなそれぞれの道で立派にやってる。あたしは自身の能力を活かして冒険者目指そうと思うんだが、あんたらは強いじゃないか。そこであたしもぜひ仲間として一緒にやって行きたいって思ったのさ」
「ふむ」
「どうだい? 悪い話じゃないはずだ」
「うーん」
正直、迷っている。
別に断る理由もないのだが、即答するのも気が引ける。
「あの、レオールさん。私はいいと思いますけど」
「ルリア?」
「この人、根は真面目だと思うんです。それにきっと私達と一緒にいた方が楽しいですよ!」
「そっか。わかった。よろしく頼むよ」
「おっ、ありがとな。これからは相棒同士、仲良くしようじゃないか!」
こうして俺たちの仲間に新たなメンバーが加わった。名前はクリム。
年齢は16歳。
職業はシーフ。
武器は魔力を弾丸にする魔導銃を使う。
彼女は戦闘では素早い動きと器用な手先を使って、相手の隙をつく戦い方をしていた。
さらに罠解除や鍵開けといったスキルも持っているため、非常に頼りになる存在だった。
そして俺達は一度家に帰り、リンネにも紹介することにする。家に着くとリンネは庭にいた。
何をしているかというと土いじりをしているようだ。
「あら二人ともおかえりなさい」
「ただいま。ちょっと紹介したい人がいてね」
「こんにちわ。あたしはクリムっていうんだ。今日から世話になります。よろしくお願いします」
「えっと、こちらこそよろしくね」
リンネもすぐに受け入れる。
こうして俺達は4人パーティーとなった。
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