6話 デーモンとの対決

それから数日後、ついに俺のレベルも100を超えた。

 つまり今以上に高難度クエストも受けれるということだ。

ということで俺はデーモンを狩ることにした。悪魔系モンスターの中では最弱だが、それでもレベル90以上の強敵だ。

俺達は準備を整えた後、街を出る。

目的地はここから東にある山の奥地。

道中には強力な魔物が多数いるらしいが関係ない。

俺達はただひたすらに前に進むだけだ。

しばらく歩くと洞窟が見えてきた。

おそらくここだろう。


「どうします?入ります?」

「そうだな」

「なら私に任せてください」


そういうとルリアは魔法を唱える。


「《ライトアップ》」


すると洞窟は明るく照らされる。


「おおっ、これは便利だな」

「でしょ。でもMPの消費が激しいのが欠点かな」

「なるほどな」

「それで中に入りましょう」

「分かった」


こうして俺たちはダンジョンの中に入って行った。

ダンジョン内は魔法のおかげで明るかった。

 そしてすぐに一匹のデーモンを見つける。

迫力的には平均的なデーモンだろう。


「早速一匹目か」


 俺は攻撃態勢を取る。

だがデーモンが先に黒魔法を放つ。


「きゃあっ」


 それはルリアをかすめて後ろの壁に穴が空く。

ルリアは腰を抜かして倒れる。

そして水音が響き、ルリアの周りに水たまりが出来る。


「大丈夫!?」


リンネが慌てて駆け寄る。


「…………」


返事がない。

 自身の失態にルリアは顔を赤くして次の言葉が出ない。


「ルリア!」

「は、はい」

「今のはしょうがない」

「うぅ」

「とりあえず下がってろ」

「は、はい」


ルリアは立ち上がり、後ろに下がる。


「俺がやる」


俺は剣を構え、突撃する。

その勢いのまま、一刀両断。

これで戦闘は終了した。


「ふぅ、終わったな」

「お疲れ様です」

「ああ、ありがとう。助かったよ」

「いえ、そんなことはないです」


それから俺たちはさらに奥に進んだ。

途中、何度か戦ったが全て問題なく勝利した。

そしてついにボス部屋の前に到着する。

そこには巨大な扉があった。


「これがボス部屋のようですね」

「ああ、間違いないだろう」

「気をつけてくださいね」

「分かってる」


俺は剣を抜き、構える。

そして扉を開ける。中には大きな悪魔がいた。


「グオオォッ!!」


悪魔は雄叫びをあげる。


「こいつだな」

「そうみたいですね」

「リンネ、援護頼む」

「分かりました」

「ルリアは回復に専念してくれ」

「はい」


俺は一気に間合いを詰めて斬りかかる。

悪魔の皮膚は硬いが、それでもダメージは通っているようだ。

攻撃の隙を見てリンネは魔法を放つ。

さらにルリアの魔法も飛んでくる。

そしてついに悪魔は倒れた。


「ふう、やっと倒せたぜ」

「おめでとうございます」


 完全に勝利の余韻に浸っていた。

だがその時だ。

突如として悪魔は起きあがり今際の際の魔法を放つ。


「きゃあっ!」


 魔法はリンネの右ほおをかすめて後ろに飛んでいく。


「ちっ!」


俺は爆弾を使って悪魔を完全に消し飛ばした。

 そしてリンネの方を見るが、リンネは腰を抜かして尻餅をつき、地面には水たまりを作っていた。


「大丈夫か?」

「はい、なんとか」

「立てるか?」

「は、はい」


手を差し伸べ、リンネは立ち上がる。


「怪我はないか?」

「うん、大丈夫。ちょっとびっくりしただけ」

「ならいいが……二人ともどうする?」


 俺は二人を見る。

ルリアもリンネも恐怖で失禁してしまっており、ミニスカートはおしっこの黄色い染みで汚れている。

今回は着替えも用意がないのでこのまま街に帰るしか無いのだが……さすがにこの格好で帰るのは恥ずかしいだろう。


「私はもう平気だから」

「私も大丈夫です。この失敗も……戦った証だし」

「そっか……じゃあ街に帰ろう」

「はい」

「うん」


こうして俺たちは街に戻った。

その後、二人は着替えるため一度家に帰っていく。

俺はそのまま街の広場で待つことにした。

しばらくすると二人がやってくる。


「お待たせしました」

「おう」

「ごめんなさい。おまたせしちゃって」

「気にすんなって」

「それで今日はこれからどうしましょう?」

「そうだなぁ……」

「ねぇ、レオールさん」

「なんだ?リンネ」

「せっかくだから今日は美味しい物でも食べに行きませんか?」

「そうだな。今日は報酬もたっぷりもらったし……行くか!」

「はい!」


こうして俺たちはいつもより少し贅沢をして帰った。

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