本棚には出会えない

短冊

　保育園の頃、2つくらい下の女の子が短冊に「仮面ライダーになれますように」と書いていた。

　当時のボクが「女の子なのに変なの」と言った時、その子のお父さんが「変じゃないよ」と言った。

　それから何年も経って、ぬいぐるみが欲しいと泣く前にバイトして欲しいものを買えるようになった。

　4年連続、女の子が仮面ライダーになって、今年はついに同い歳の女の子が仮面ライダーになった。

　来年プリキュアになれなかったら、仮面ライダーを目指してみるのもアリかもしれない。

　「女の子なのに変なの」と言っていた当時のボクは、まさか一人称を私からボクに変えていて、髪の色も派手で仮面ライダーのぬいぐるみと毎日のように出歩いているなんて思ってもいないだろう。

　そういえば3年前、クラスメイトの前で「誰かのヒーローになりたい」と宣言した。

　誰かのヒーローになれた時、ボクは仮面ライダーになれるんだろうか。