第13話 人工肛門になったお話 7
次の日の発表会は縫った傷がかなり痛くて痛み止めを貰わなかったのを後悔しました。
それでもなんとか発表会は皆さんにご心配をいただきながら無事に終わりました。
後は人工肛門とお別れする手術です。
手術は5月の半ばでした。
袋は後三枚。
約15日間を袋2枚で乗り切れば1枚残る感じです。
ところが縫って10日ほど経った頃に縫った場所に痛みを感じました。
嫌な予感がしたので仕方なく袋の交換をすることにしました。
恐る恐る袋を外すと膿が流れ落ちました。
皮膚が溶けて縫った糸が取れて穴が巨大になっていたのです。
びっくりして直ぐに石鹸で洗い、穴に専用の肌荒れ用の粉を次女に入れてもらい、穴の上に袋の貼り面の切れ端を乗せて、袋をピッタリと貼りました。
袋の穴は自分の人工肛門の大きさに合わせて自分でハサミで丸く穴を作ります。その時に出来る貼り面の切れ端を取っておいたのです。
切り傷や火傷ひび割れをした時に貼ろうと思って取って置いたのが役立ちました。
※貼り面の成分は、最近売っている濡れ絆創膏と同じ成分とのことですが、勝手に傷に貼らないように注意がありました。
傷口の痛みはなくなりましたが心配で再び病院へ行きました。病院へ行くということは袋を替えるということです。一度剥がした袋は廃棄となります。
もう袋が足らなくなってしまいます。
仕方なくお店に電話して
「もうすぐ閉鎖手術なのに袋が足らなくなってしまったので一番安い奴買います‥。」
と悲しそうに言いました。
すると
「あ、試供品送りますよ。」と言ってもらえて
「えー!いいんですか!ありがとうございます♪」
とすっかりご機嫌です。
今考えると相当なケチですよね。
自分の傷のことを一番に考えるべきなのに。
思い出すと恥ずかしくなります。
そして、閉鎖手術する日がやって来ました。
つづく
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