第2話 アサシンとの死闘

 ダンジョンの奥へと進む女魔導士。

 今度は忍者の姿をしたアサシン(暗殺者)が現れた。


 彼女はニヤリと笑い、そしてつぶやく。

「フッ、やっと骨のありそうなヤツが現れたな」


「余裕の表情だな。だが、そんな顔をしていられるのも今のうちだ。いざ、勝負!」

 そう叫んだ忍者姿のアサシンは、特別性のクナイを投げつけた。


「くらえ、『結婚できないのを仕事が忙しいからって言い訳するの、ヨ“クナイ”』!」


 クナイは間一髪でかわされた。しかし彼女のハートにはクリティカルヒット!


 どうやら思い当たるふしがあるようだ。



「フッ、アサシンよ、キサマなかなかやるようだな」

「負け惜しみを言うな。俺は魔法の耐性をもっている。魔導士であるお前では、俺を倒すことは出来ないぞ」


「フフッ、キサマはまさか、私の攻撃が魔法だけだと思っているのか?」

「な、なんだと。お前、ひょっとしてけんも使うのか!?」


「ああ、その通りさ!」


 彼女は自分のポケットをまさぐる。


「くらえ! 『お見合いパーティー、次回参加時、2割引・けん


 アサシンに向かって大量の割引券を投げつけた!

 割引券の表面には、『使用済み』のハンコが押してある!


 それを見たアサシンがつぶやく。

「…………あの、なんて言うか…… 頑張って下さいね」

 心優しい言葉を残し、アサシンは去って行った。


「フッ、どうやら私の『真けん』さが、伝わったようだな」

 どうやら彼女はお笑いもイケるクチのようだ。




 アサシンの攻撃を退しりぞけ、更に奥地を目指して歩くこと数分。

「しまった……」


 彼女は自分の過ちに気づいた。


 先程ばらまいた割引券の中に、未使用のものが含まれていたのだ。


「絶対、『相談の間』へ行ってやる! そして今日、絶対に決めてやるんだ!」

 彼女が一層強い決意を示した瞬間であった。

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