第2話 行商
あの頃はまだ団地とかなく、戸建てか長屋に住んでいる時代でした。
うちは戸建てだったので、行商の人が物を売りに来ていました。
富山の薬売りのおじさんが背中に大きな風呂敷に木箱を包んで担いで一件一件廻っていました。
持って来る薬は、胃腸に良いとされる「熊の胃」?だったかな?それとか風邪薬。そして薬を買うと子供には紙風船をくれます。だから、いつもおじさんが来るのが楽しみでした。
そして滋賀県の琵琶湖らへんから来る佃煮の行商。今みたいパックに入ってないので、お皿にのせて秤で量ってもらいます。私は琵琶湖の「ごりの佃煮」が大好きでした。
そしてその琵琶湖の行商のお兄さんは生きた琵琶湖のフナをお土産に持ってきてくれました。私の家にはそれほど大きくない庭があり、古くなって取り替えた台所のタイルでできた流しが置いてあり、そこに水をはってそこでしばらくフナを飼っていました。
ですので、行商の人が物を売りに家に来てくれるのがとても楽しみでした。
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