第43話

「あっつ……やば……」


 クラクラする頭を支えながら俺は風呂場を出る。

 凛との行為の熱気もあるが風呂場の暑さのせいでやられたようだ。


「海斗大丈夫?」


 凛が心配そうにこっちを見ていた。


「ん……多分……ちょっと横なって良い?」


 俺はひとまずソファーに横になる。

 着替えを着るのもしんどくて下着だけ着けている状況だ。


「ご飯、作っとくね……?」


「ごめん、ありがとう」


 凛は長い髪をタオルで拭きながらキッチンへと入っていった。

 瞼がだんだん重くなっていく。

 それに頭もぼーっとして音が耳に届いても脳で処理されない、


「んっ……ちょと……だけ……」


 俺の意識は一旦ここで途切れた。



 どれくらい経っただろう。

 良い匂いが漂ってくる。

 体を起こすとトントンと何かを切る音が聞こえてくる。

 凛が料理をしているのだろう。

 まだ若干頭痛がするが我慢できそうなので立ち上がりキッチンへと向かう。


「海斗は……どれくらいの濃さが好きなんだろ……」


 凛はそんなことを言いながら味見をしている。

 その格好は後ろから見たらパンツ何もつけていないようにしか見えなかった。

 俺は彼女を驚かせてやろうと後ろから抱きつく。


「きゃっ……海斗!?」


 凛はいかにも女子らしい叫び声をあげ、驚いたように俺の名を呼んだ。


「何作ってるの?」


 後ろから彼女のお腹を撫で、鍋を彼女の肩越しに覗き込む。


「味噌汁作ってる」


「どおりでいい匂いがすると思った」


 凛はパンツははいているものの、前はエプロンでしか隠していない。

 いわゆる裸エプロンの一歩手前だ。

 エプロンの両サイドから手を入れて、彼女のお腹や足の付け根触る。


「ねぇ、火傷するから後ででいい?」


 彼女は少し困ったような感じで俺に言った。


「少しだけ……」


 少しだけとは魔法の言葉な気がする。

 どうせ最後までやってしまうというのに、どこか許される時がある。


「もう、あんまり触らないでよ?」


 今回は許されるパターンだ。


 凛の絹のような肌を撫でまわす。

 白くて細い首筋を見ると、風呂に入る前の行為を思い出した。


「ちょっと……海斗……」


 気づけばお腹を撫でていたはずの手は彼女の下乳に触れている。

 やめなければと思っていても、その手は徐々に上へ上がっていき凛の胸、その頂点へと達した。


「それ以上はダメだって……」


 彼女は触られて感じているのか、体を捻って抵抗する。


「ごめん、でもそんな格好で誘われたらさ……」


「誘ってなんかないし……めんどくさいから……んっ……直接着ただけなのっ……」


 明らかに興奮しだしている声に劣情が煽られる。

 凛は行為が激しくなることを悟ったのか火を止めると、こちらを向いた。


「触りすぎはダメって……」


「ごめん……」


 少し怒り気味に彼女に注意される。

 でも、それ以上に気になるのは彼女の胸。

 エプロン越しにでもわかるほど興奮を主張していて、凛の注意が一切頭に入ってこない。

 「ちょっと! 海斗聞いてる? 火傷した……どう……」


 俺の視線に気付いたのか彼女は視線が向けられた先を見る。

 そして自らの胸に行き着いた瞬間、彼女の顔は真っ赤になった。


「ばか! へんたい! だから話聞いてなかったの!?」


「ごめん、ごめん」


 凛は胸を隠し俺から一歩離れる。

 でも、そのうち体をモジモジさせ、何かを呟き始めた。


「その……だって……うう……」


「どうしたの……?」


 彼女は俺のこの言葉が気に入らなかったらしく、俺の右手首を掴む。


「ちょっ……凛……!?」


 そしてその手を引っ張ると、凛のパンツの中へと滑り込ませた。


「——!?」


 もうすでにこちらも水気を含んでいて、熱くなっている。

 それに今は白い下着をつけているが、濡れているところはシミまでできてしまっている。


「海斗がいたずらするから……! こうなっちゃったじゃんか!」


「ご、ごめん……」


 彼女に怒られたことに動揺して何も考えずただ謝る。

 凛は俺の謝罪を聞くと、少し偉そうに話し始めた。


「本当に反省してる?」


「はい、してます……」


「じゃあ責任とって……」


「責任とって……なに……?」


 凛は責任を取れと言ったもののその続きを言わなかった。

 もしかすると自分で考えろということなのか。

 俺はある考えが浮かんだので、彼女のエプロンの紐を緩める。


「ちょっと何してるの?」


 凛が戸惑ったような声を上げる。


「ん、責任を取るんだよ?」


 俺は彼女にそう告げ、エプロンを捲る。

 その中からはさっきまで撫で回していた触り心地の良いお腹が現れた。


「そんなこと……許可して……」


 凛は驚いたようでエプロンを下ろそうとする。

 彼女の抵抗に苦戦しつつも、俺は彼女の腹部に顔を近づけた。

 顔を近づけたならやることは一つ。


「ちゅぅ……」


「ひゃっ……」


 吸い付いてやると、凛はこれまた可愛い声をあげた。


「お腹でも感じるの?」


「そんなわけないでしょ!?」


 恥ずかしい声をあげたというのに彼女はそれを認めようとしない。


「じゃあいくら舐めてもいいよね?」


「だめっ!」


「何で?」


 俺は凛の腹をもう一度舐める。

 彼女はまたいじめがいのある声をあげた。

 そしてさっきの繰り返し。

 結局この戦いは凛が涙目になりながら俺を許すまで続いた。

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