第40話

 凛は少し躊躇いながら、俺のかかとに手を添える。

 まずは普通に足の指先にキスをする。


「ちゅっ……はぁはぁ……んっ……ちゅうぅ……」


 本来ならば屈辱的で恥ずかしいはずなのに彼女は恍惚とした表情で俺の脚を舐めている。

 彼女は最初膝をついていたのだが、気づけば膝を上げ、しゃがんでいるようなポーズになっていた。


「れろっちゅう……ぺろ……ちゅぅぅ……じゅる……」


 凛は段々いやらしい音を立てるように舐め始めた。

 それに彼女の脚は少しずつ開かれていって、隠されていた下着がどんどん露わになっていく。


「凛、もしかして興奮してる?」


 凛のピンクのパンツにはすでにシミができていて、濡れているのが丸わかりだ。

 彼女は俺の方を上目遣いで見たものの隠すようなことはせず、脚を舐め続ける。


「びちゃびちゃになってる」


「……っ!」


 凛の羞恥心を煽るように言った。

 流石に彼女も恥ずかしかったのか、一瞬足を閉じようとしたものの、吹っ切れたのかさらに足を大きく開いた。


「海斗はこういう風なのが好きなんでしょ?」


 凛は軽く俺を睨むと踵から右手を離した。

 彼女は左手で俺の足を支えて舐めながら、右手を下着の中へ滑り込ませる。


「ちょっ……!? 凛……!?」


 凛は恥ずかしげもなく足を舐めつつ自らの下半身をまさぐりだした。


「んっ……ちゅぅちゅっ……ぺろじゅる……」


 彼女の右手の方からはグチュグチュと水気を含んだエッチな音が鳴りだす。

 凛の吐息はさらに熱くなっていき、呼吸もどんどん荒くなっていく。


「海斗っはっ……変態だから……こういうの……興奮するでしょっ……?」


 切羽詰まりだした声で彼女が俺に言う。

 凛の言う通り俺はこの状況に興奮してしまっているし、彼女の淫らな姿が余計に欲情させる。

 体もすでに反応してしまっていて、股間を大きくしてしまっている。


「それにっ……海斗ばっかり気持ち良くなって……! 私だって気持ち良くなりたい……んだもんっ!」


 凛の手の動きが早まっていくと、徐々に俺の足を舐めることが疎かになりだした。

 自分の快楽を貪る姿が俺の目に映る。

 口はだらしなく開き、舌が出てきてしまっている。


「んっ……あっあっ……かい……とぉっ……」


 凛はついに俺の足から手を離し、左手も自らの下半身をいじるために使い始めた。

 パンツが邪魔で彼女の秘部は見えていないものの、音や滴っている水滴でどれだけ濡れているのかがわかってくる。


「あっ……あっ……! ああぁぁっっ!!」


 ついに一際大きな嬌声をあげ、凛は背中を反らせる。

 そしてゆっくり脱力すると、彼女は腰を抜かしたように尻をついた。


「凛……」


「かい……とぉ……」


 彼女は俺の脚を舐めてよっぽど興奮していたのか、満ち足りたような顔をしていた。

 でも、俺からしたら面白くない。

 凛だけが気持ち良くなっているように思えた。


「凛……?」


「んっ……ごめん……続きする……ね」


 彼女も自分だけが気持ち良くなっているのに気づいたのか、申し訳なさそうに俺の足を持ち上げる。


「いいよ、ちょっと離して」


 俺にそう言われ、凛は少し戸惑ったような顔になる。

 彼女が俺の足を離すと、俺は立ち上がり彼女の後ろに覆いかぶさる。


「ねぇ……怒ってる……?」


 凛は少し怯えたような声を出し、俺の顔を見ようとする。


「怒ってはないけど……嫉妬する……」


 濡れている彼女の右手を掴むと、俺はそれを舐め始める。


「この右手が凛とやってるのみると……凛の右手に嫉妬する……」


「ごめっ……」


 凛は謝ろうとするが、俺は空いている手を彼女の口の中に入れる。

 人差し指から薬指の三本を使って凛の口内をかき混ぜる。

 彼女は最初は舌で指を押し出そうとしていたが、徐々に指を受け入れるようになった。

 指に舌を絡めて舐め回してくる。


「口の中に指入れられてるのに、喜んでない?」


「ひっひがっ……」


 少し涙目になりつつも凛は指を舐めるのをやめない。

 口では何か言っているが、抵抗はしなかった。


「ねぇ、もう顔がとろけきってるよ?」


 彼女の舌を指で摘んで外に出してやる。

 凛は俺の手によってだらしない顔になり、目もとろんとしてきた。

 口の端には涎が垂れてきていて、てかっている。


「かいろぉ……おこっれるんれしょぉ……?」


「何言ってるかわからないよ?」


 彼女の舌を出させているわけだからまともに喋られるはずがない。

 それは分かっているが、意地悪がしたくて凛が何かを言えないようにしたかった。


「ほれはかいろか——」


 彼女がまた何かを言おうとする。

 俺は凛の服の中に手を入れ、胸を触る。


「っ……!!」


 彼女の弱いやり方は何度も肌を重ねているのだからわかっている。

 胸に突起を指の腹で転がして、摘んでやる。

 凛は身をよじって気持ち良さから逃れようとする。


「逃げちゃだめ」


 覆いかぶさっている俺は全身で彼女が逃げようとするのを邪魔する。

 彼女が逃れようと首を振った瞬間、俺の手が彼女の舌から離れた。


「海斗ぉ……顔見たい……のっ……!」


 凛は必死に俺の顔を見ようと首を捻っている

 彼女のその発言や行動があまりに可愛い。


「凛……ずるい……」


 俺は少し離れて彼女の前に移動すると、ゆっくり口づけをする。

 そのせいで俺まで顔がだらしなくなってしまいそうだった。

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