第25話
「別に逃げてるわけじゃ……」
「じゃあシよ?」
今の凛に何を言っても無駄だとわかった。
俺はゆっくり脱力して彼女のなすがままになる。
「ね、抵抗しないなら脱がすよ?」
「別に……いいよ」
俺の態度が気に入らないのか、彼女は不満げだ。
「諦めたの?」
「まぁ……そんなところ」
「つまんない……」
凛はそう言いつつも俺の服のボタンを外していく。
「ね、どうしたい?」
彼女は俺の欲望を煽るように両手で至る所を撫でている。
その顔は小悪魔のような笑みを浮かべていて、俺をそのつもりにさせる気満々だった。
「どうしたいって?」
「たとえば……」
彼女は体を起き上がらせると、俺の耳に口づけをする。
「耳、舐めたりとか……?」
「別に……どうでも……」
口では冷静さを演じていても本当は強がりでしかない。
滅茶苦茶興奮している。
凛は少し何かを考えておもむろに服を脱ぎ出した。
「いったん脱いで、汚れないようにしなきゃ……」
そんな事を呟き、前のボタンを外す。
もうすでにいくつかボタンは外れていたので、すぐに前が開いた。
彼女の顔はすでに高揚している。
「これ、ちょっと借りたやつだけど……」
彼女の胸にはサイズの合っていない黒のブラ。
花をあしらった細かなレースが綺麗だった。
「なんか……サイズが合ってない方がえっちな気がする……」
「そう? 私はキツいだけだけど……」
凛はそう言うと俺の手をとった。
何をするのかと思い少し驚いたが、抵抗はしなかった。
「ちゅっ……」
彼女が手の甲にキスをする。
そして、次の瞬間には俺の中指と薬指は凛の口の中に入っていた。
「ちゅ……ちゅる……はっ……じゅる……」
ヌメヌメとした唾液が絡みつき、彼女の舌が蛇のように俺の指を間を這う。
これまで味わったことのない変な感覚に俺は思わず身震いをした。
「れろれろ……ちゅうぅ……じゅっ……はむ……ちゅぅ……」
凛に手首をがっちり掴まれ、逃げることはできない。
それに口でも吸いつかれているので、それだけで逃れられそうになかった。
「ろう? ちゅう……ろんなかんり?」
「なんて言ってるかわからない……」
彼女は俺の指を口の中で転がしたり、舌でもてあそんだりしている。
必死に舐めている姿が愛おしい反面、滅茶苦茶にしたい衝動もかきたてられていた。
「ぷはっ……どう? 指を舐められる感触は?」
ようやく凛は俺の手から離れる。
「いや、別に……ちょっと変な感じだった」
「じゃあ、今度はさ……」
彼女はベッドから抜け出して、床に座る。
「ね、足出してよ」
何か嫌な予感がしたが、黙って彼女に言われた通りにする。
凛は俺のかかとに手を添えて持ち上げ、俺が前やったように脚を舐め始めた。
「ちょっ……それ……」
「ぴちゃ……れろ……ちゅぅ……れろっ……」
「汚い……から……やめといた方が……」
俺がそう言って止めても、彼女は舐めるのをやめない。
足の指の間を丁寧に一つずつ舐め回していく。
「だって……海斗だって前やったじゃん……」
「そうだけど……あれは凛のだからできたわけで……」
「私だったら海斗のでもできるよ?」
凛はそこまで言うと再び足を舐める。
執拗というのか、丁寧と言うのか。
とにかく舐め残した場所がなくなるように彼女は舐めていく。
「ちょっ……裏はくすぐったいって」
「んー?」
足の裏を舐めている凛は急に支えていた手をのけた。
もちろん俺はその時に足に力を入れておらず、重量に従って足が下がり、彼女の顔に足の裏がのる。
「あっ……ごめん……!」
俺は慌てて足を下ろす。
「だめ」
「えっ」
凛が少し怒ったような顔をした。
それはそうだ。顔に足を乗せるなんて失礼すぎる。
「ごめん……」
俺は頭を下げてもう一度謝った。
すると凛は、
「じゃあ足を戻して」
と、とんでもない事を言いだした。
「えっ……!?」
「手を使わずに舐めるから」
徐々に凛の声が大きくなる。
「いや、でも……」
「いいから……!」
これ以上彼女が大きな声をあげると親が起きてしまうと思い、俺は彼女の顔に足を乗せた。
「ぺろ……れろれろ……」
本当に手を使わず、上を向いて脚を舐めている凛。
な征服感が満たされる気がする一方で、彼女に対しての心苦しさを感じだした。
「女の子の顔に足をのせるのどう?」
「いや、どうって言われても……申し訳ないとしか……」
「嘘つき……」
彼女は手を伸ばして俺の股間をズボンの上から撫でる。
「興奮してるじゃん……」
「それは……」
「女の子が必死で自分の足舐めてるのなんてえっちじゃないわけないもんね?」
もう何も言い訳ができなかった。
これ以上誤魔化そうとしても逆効果だろう。
凛は俺の姿を見て、さらに呼吸を荒くしている。
「そうだ……」
「次は何?」
「マーカーとかある?」
彼女は何かを思いついたかのように文房具を出すように求めた。
「太いやつ? 細いやつ?」
「太い……のでいいかな……」
彼女がそれを何に使うのか、あまり考えたくなかった。
どうせこの状況だから良くないことだろう。
「何に使うんだ?」
「早く出してよ」
凛は俺の質問に答えず、催促だけした。
俺は仕方がなく電気をつけ、棚から段ボールなどに文字を書くような太いペンを彼女に手渡す。
「はい」
「ありがと」
凛はいつのまにか下の服まで脱いでおり、完全な下着姿になっていた。
「ね、男子ってこう言うの好きでしょ?」
そう言いながらペンのキャップを外し、自らの太ももに正の字を書き始めた。
「ほら……どう? 所有物感ない?」
変態じみた事を言いながら笑う彼女に、俺はダメだと思いつつも信じられないくらいに興奮していた。
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