第16話
「はっ……はっ……はぁ……」
「ふっ……はぁっ……ふっ……」
二人の呼吸が部屋に篭る。
汗で蒸れていても構わない。
寧ろそっちの方が興奮する気がした。
「舐めるなら……」
凛ははブラウスを脱ぎだした。
「服汚れちゃうから……」
そう言って出てきたのは黒の下着。
フリルとかそういう飾りはほとんどないシンプルなものだが、どこかえっちだ。
俺が下着に見惚れているのに気づいたのか、恥ずかしそうに笑う。
「これ、あの時のやつ……」
「見たことあると思った」
初めての時を思い出す。
あの時に比べたら二人とも何がとは言わないが上手くなってきた気がする。
「今日はもう優しくできないかも」
あらかじめ予告はしておく。
彼女は妬いてるのが分かって、興奮している。
嬉しいのもあるし、彼女の想いにも応えたかった。
「んっ……わかった……」
彼女をベッドへ倒す。
いつも通り細くて、壊れそうで、愛おしい躰だった。
ふと、俺の目に最初の方で脱いだブラウスが目に留まった。
「ちょっと目、隠していい?」
「うん……」
ちょっと汗の匂いがするかもしれない。
そういう不安はあるものの、ブラウスを細長くなるように折って、彼女の目隠しに使う。
「キツくない?」
「大丈……夫……」
「じゃあ……」
凛の頬を撫で、ゆっくり手を離す。
まずは顔を彼女の耳に近づけ、息を吹きかける。
「ひうっ……!」
彼女の躰が跳ね、手で耳を覆おうとする。
そんなことさせない。
「ちょっ……待って……」
凛の細い腕を交差させて彼女の頭の上で押さえる。
彼女の上半身を守るものはもう無く、胸も無防備にした。
唯一あるものといえばブラくらいだろう。
「れろっ……」
首筋を少し舐める。
凛は甘い、誘うような声をあげている。
そんな声を出すからいけなんだ。
次はもっと変なところを舐めてやる。
「はっ……離して……怖い……」
「優しくできないって言ったよ」
俺は彼女の脇に近づく。
息がかかって分かったのだろう、凛が慌てて
「そこダメッ……お風呂入ってないから……」
なんて言いながら無駄な抵抗をする。
「匂い……嗅がないで……っ!? ちょっ……恥ずかしい……」
もっと恥ずかしがって欲しい。
意地悪したくなる。
もっと俺のものに。
「やだっ……へんたいっ……」
やだやだ言いながらも、彼女の声は徐々に切羽詰まったものになっている。
「そんなこと言ってさ。興奮してるでしょ」
「そんなっ……わけっ……」
言葉は抵抗しても、口はもうとろけかけている。
俺はダメ押しにと言わんばかりに彼女のスカートの中をなぞってやる。
「ひゃうっ……!?」
「ほら、湿ってきてる」
「んっ……ばか……」
暴言すら今の俺にはもっとやってくれという煽りにしか聞こえない。
ふと、前に友人たちと離していた時に出た話題が頭をよぎった。
そっと彼女の耳元に息を吹きかける。
「やっ……! それだめ……! ぞわぞわする……」
凛はどうやら耳が弱いようで、今まで以上に反応が大きかった。
それに下半身をモジモジと動かしている。
「もしかして、耳弱い?」
できるだけ息がかかるように耳元でささやく。
「だからダメって……変な感じっ……するからっ……」
「じゃあなんで下、恥ずかしそうにしてるの?」
「それは……だってぇ……」
目隠しされているからいつも以上に敏感になっているようだった。
反応を隠しきれていない彼女が可愛くてたまらない。
「変な感じ、じゃ無くてさ……本当のこと言ってよ」
「本当っ……! だもんっ……!」
「嘘つきにはやめてあげない」
そう言って彼女の耳の筋を舌でなぞる。
「言ってよ……ほら」
口で耳を転がすようにしたり、甘噛みしたり。
その度に彼女は蜜の声をあげる。
でも、答えはなかなか言わない。
その度に俺は奥へ奥へ舌を入れていく。
「言うっ……言うからぁ……!」
遂に凛は折れて震える声を上げる
そして真っ赤になりながら懇願するように
「気持ち……いいです……良すぎて……怖い……」
上に上げている彼女の手はぎゅっとシーツを握っていた。
俺はゆっくり手を離し、彼女の頬に両手を添えた。
「んちゅぅ……あむっ……れろ……ちゅう……」
よっぽど不安だったのか、凛は俺の存在を確かめるかのように舌を動かす。
しばらくお互いの口を貪り合うと、彼女は目隠しを外した。
「もっと……もっと……」
両手を広げてそうねだる彼女の目にはうっすら涙が浮かんでいた。
よく見ると、お互い上半身はほぼ脱げており、服は基本下半身だけだった。
「もっと滅茶苦茶にしていい?」
俺が訊ねると彼女は静かに頷いた。
その後の凛はいつも以上に積極的に俺のことを責めたがった。
まるで目隠しをしている時にはずかしめられた事に対する反撃のようだった。
時折、無自覚な煽りとでも言うのだろうか。
俺の劣情を煽るような甘い、痺れるような声で鳴いた。
彼女のベッドのシーツは凛と俺が握るたびにシワが変わっていく。
「もっと……私のものに……」
「俺の痕を……」
お互いをお互いに染めていく行為がしばらく続き、ようやく終わるとお互いの頬を撫で合い、ベッドでゴロゴロした。
こんな日々がこれからも続きそうだ。
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