第2話「ヘンシンきつね」

 小さな村の小さな神社に赤いきつねと緑のたぬきが住んでいました。



「ねえねえたぬきくん、こんなんどう?」

 赤いきつねは真っ赤な長い髪を腰のあたりまで下ろし、前髪パッつんで耳の前両サイドを切り揃えた姫カットの女の子に化けて言いました。


「葉っぱで化けたの、きつねさん?」

 緑のたぬきは赤いきつねが着ている巫女の服が「あざとい」と思いました。


「そうよ、かーいいでしょ♪」

 赤いきつねは人の姿に化けるのが好きでした、人はいろんな服やいろんな髪型が出来て楽しいからです。


「確かに可愛いけどね……」

 緑のたぬきは赤いきつねの耳としっぽが隠れてなくてコスプレ感がハンパないなと思いつつ「イヤ、もしかしてワザと?」とその真意をおしはかるのでした。

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