赤いきつねにお湯入れて

常闇の霊夜

そう言えば……


私は赤いきつねを食べるためにお湯を入れた。そして五分のタイマーをセットして待つことにした。これはお湯を入れてから五分で完成するのであるが、その間何をしようか考えているのである。まぁこの間にする事って言うのは正直に言って少ないだろう。何せ五分と言う短い時間である以上、少なくともハッキリ言って考えているだけで終わってしまう可能性がある。さてこれを踏まえ何をするとしようか。ゲームに関してはソシャゲであれば五分以内で終わらせる事が出来るかもしれないが、それは何か違うような気がする。第一五分と言う中途半端な時間が私を焦らせるのであってそもそも五分と言う時間が経った後する事と言えば麺を啜るだけであるし、そんな訳でやはりゲームと言うのは待ち時間に相応しくないのだろうと思う。では何をするか。それでは小説のアイディアでも考えてみようか。しかしアイデアが五分で浮かぶのなら我々は小説を書くのに苦労はしないのだ。そう言う訳ではあるが何分割と行けるような気がするというのもまた事実。しかしやはり他にやるべきことはあるのかもしれないのかもしれない。例えば洗濯などはどうか?いや飯を食っている間に時間が来るとなんか嫌な気分になるのでやはりNGだ。となるとまた別の事を模索しなければいけないのであるが私にはそれが思いつかないのである。だがしかし実際の所五分と言う時間はかなり短い物であると思う。例えば仕事をしている時の五分と言うのはとても遅い物であるが、自分がやりたいことをやっている五分と言う物はとても速い物になる。やはり時間と言う物は不規則なのかもしれない。明らかに時間が早く過ぎる現象と言う物が起きているような気すらする。つまり私はこの五分を早い五分にしたいという事なのだろう。そう言うと面白い物でも見ればいいのだろうか?……そうだ、まだ読んでない本があったはずだ。五分の間にその本を読んで終わらせることにしよう。そして私はその本を手に取った。


ちょうど、タイマーが鳴った。

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赤いきつねにお湯入れて 常闇の霊夜 @kakinatireiya

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