第23話 松島湾の遊覧船
テレビのニュース番組で見ましたけど、アメリカのケンタッキー州の竜巻すごいですね。被害にあった人達ほんとうにお気の毒です。
日本ではあんな規模の竜巻はないと思うけど、地震とか台風とかいろいろ災害が起こりますからね、あなたも気をつけてくださいね。
東京も今日は風が強かったですね。冷たい風、あなたは寒さに強い方ですか?私だめです。それに私たちのお店での衣装は夏も冬も同じなんですよ。
特にお客さんがお帰りのとき、店の外まで見送りをするのね。
そのときが一番寒いわね。
でも、そんな私たちの姿をみて、この店に入ってみようかなって思う人もいるんですよ。
今日のお客さんもそのひとり。 つまり偶然の出会い。そんな時は神さまに感謝します。出会いを待ち続けながら店内で待機しているよりも、外にいるほうが自分で仕事を見つけたって気持ちになれるでしょ。
それでね、そのお客さんはいつもは外に出て、お得意様のところへいくことが多いんだけど、月曜日は会議が多いんだって。
だから、外に出て仕事したかったっていってたました。
あなたの会社も月曜日は会議ですか?
それでね、「もう一年過ぎたんだな、ほんとうに歳をとると一年は早いな」っていうのね。でもそのお客さんはまだ若いんですよ。
「君はどうだった?一年早かった?」って聞かれたんだけど、本当は私もこの一年間がすごく早く感じました。
私も歳をとったのかなって、感じちゃいました」。それでキャバ嬢の歳ってお客さん気になるみたいですね。
「君、いくつ?」って、よく聞かれます。そんな時「いくつに見えます?」って、いう子が多いんだけどそんなこと私は絶対に言いません。
堂々と答えますす。「あと2か月で25才になります」と、堂々と答えます。
どこかの調査機関が調べたらキャバ嬢の平均年齢は23歳5か月なんですって。
だから、いまの私は平均値よりちょっと上ですね。
でもこのデータ本当かな?どこの地区のことかな?
それで、引退の平均年齢が26才6か月なんだですって。
だからあと1年年で私は引退年齢になります。数字って残酷ですよね。そのあとは私も美咲さんのようにエルダーとして働こうかななんて、でもその前に寿退社があるんじゃないかなって、思っています。(そう願ってます)
それで、今日新しい女の子が入店しました。店長がその子を紹介したとき私、拍手をしました。彩さんが私にしてくれたように。その彩さんとはいまお店の中では一番のお友達です。きっと今日入店した子、美紅〈ミク〉ちゃんとも仲良しになれそう。
それで、美紅ちゃんは前の店では〈川崎あゆ〉って名前だったらしんだけど、他の店の友達に〈松島ゆうら〉ちゃんって子がいるから、フルネームを源氏名にするお店が増えてるのかも知れないわ。
松島ゆうらちゃんは宮城県の出身で、松島湾の遊覧船をヒントにしたんだって。
私みたいにお店に用意してあった、名簿の中から選んだのとは大違いね。
自分で考えるって大事ですよね。
見習わなくちゃ。
でも私の珠理はとって大切な自分だけのものだから、大事に磨いていきたいと思います。
お客さんと出身地の話になることは、よくあるんだけど東京出身ていうのは、あまり面白い話題にならないことが多いみたいですです。
普通すぎるせいかな。でもこれは源氏名のように変えられませんからね。
でも私はがんばります、東京都民のために。日本のために。
またへんなところで力んじゃった。そうリラックス、リラックス。
肩の力が抜けたところで、おやすみなさい。
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