第22話 指先に輝く星たちよ

 関東地方には今日も大きな地震がありましたね。あなたは大丈夫でしたか?

 とても心配です。お気をつけてくださいね。


 私は今日もお仕事はお休みです。あなたもお仕事お休みですか?日曜日でもお仕事の人たくさんいますよね。本当にご苦労様です。

 あなた、朝食はちゃんと食べてますか?朝抜きはよくないですよ。


 私の朝食のメニューは、ほぼ毎日同じなんですが、今日はトースト1枚、オレンジ1個、ブルーベリーヨーグルト、玉子焼き、コーヒー、以上です。

 あなたの玉子焼きの味は何味ですか?。お砂糖の甘いタイプですか?それとも質実剛健の塩味ですか。


 私は母から習った醬油味です。卵2個、長ネギ、醬油少々、それに水を少々加えます。水を加えるのがちょっと変わってるでしょ。

 フライパンにふたをして弱火でゆっくり時間をかけて焼きます。

 すると、ふわーっとパンケーキみたいに膨らみます。不思議でしょ。

 でも本当です。これが子どものころから食べていた我が家の味なんです。


 朝食のあとは掃除、洗濯、ここまでは普通でしょ。

 午後からネイルサロンへ行ってきました。


 実は、きのうゴルフショップへ行ったでしょ。そのとき問題が発生してたんです。

 私のネイル。自爪の先に約10ミリの長さの延長した爪をつけてたんです。

 それが邪魔をしてグラブが入らなかったのです。

大きめのサイズにしてみたり、いろいろとやってみたんだけど結局、爪を修正しないと会うグラブが無い、という結論になりました。


 それで今日は、爪の表面にいっぱい貼り付けてあった、星型や花などの盛った部分を少なくするデザインに変えてもらいました。

 そう、スルッとした表面にして、指がグラブに滑り込みやすいようにしたってわけです。


 ネイリストの人が「こんなに綺麗にできてるのにどうして?」って残念がってました。でも「左手だけです」っていったらネイリストさんがまた驚いて「左手だけの仕事だったんですか?」って。そんな仕事の人いるのかな。

この10ミリの爪って、私たちキャバ嬢以外のお仕事の人にはとても無理よね。

正直、なにもできない。なのに掃除も洗濯も料理もできる、私ってすごい。

自画自賛しちゃいました。


 それで、昨日ゴルフショップへ行くまで、グラブは左手だけということを知りませんでした。

「右手はないんですか?」と聞きました。

「ありますよ、女の子は両手の人いますから、でもお客さんにはサイズ合わないと思います」


 私、その意味がまったく分かりませんでした。

「これ男性の左利きのひと用ですけど」と言って持ってきてくれたのは26センチでした。26センチって男性でも大きめなんだって。

「これでも、まだ入らないと思いますが」と店員さんは言いました。


 やってみたけど確かに爪に盛ったデコボコが邪魔をして、私には会うグラブは右手も左手もないとわかりました。

 ネイルをとるかゴルフをとるか悩んだ末、今回は左手だけはネイルを諦めることにしました。


「さようなら、私の左手の指に輝いていた星たちよ、花たちよ、あなた達のことは忘れない、あなた達がくれた愛と希望はいつまでも私の心の中に輝いている」


 なんて、大袈裟なジョークを自分にいって、でも本当に半分泣きながらネイルしてもらいました。


 明日はまた素敵なお客さまとお会いできるのが楽しみです。

 もちろん、いつも輝いているあなたにも。


 それでは、今夜もおやすみなさい。


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