第12話 心ってどこにあるの

 おはようございます。今日も寒いですね。オミクロンも心配だし、あなたは大丈夫ですか?

 私は元気です。今日もお店にでて、いろいろなひとに出会い、勉強しました。

 最初のお客さんはとっても物知りです、最近のいろいろな問題について語ってくれました。

 SNSの話になりました〈誹謗中傷〉言われていますね。それで〈心無い〉って言葉の話になりました。お客さんは言いました。


「人間には元々心はないんだよ」

「えっ、どゆうこと?」

「心ってのは有るんじゃなくて、育てるものなんだよ」

ますます分らなくなりました。


「君は自分に心がある人間だと思ってるの?」

「うーん思ってる、すこしだけど」

「君の心はどこにある?」私が胸に手をあてると


「それはオッパイ。人間には心という臓器はないんだよ」

「えっ、ないの?…じゃあ、育てるってのはなに?」

「女は子宮で考えるってこと、聞いたことない?」 聞いたことある。

「だから、子宮に刺激をあたえ続けていると、心が育つのだよ」


 変な理屈だけど、只の下ネタよりは多少いいかなと思って、聞きました。

「じゃあ、男のひとはどうなの?」

「男は与えることで心が育つんだよ」


「男は女の子宮に刺激をあたえ続けることで、男女ともに心が育つんだよ」

 やーっぱり、最後はこうなるのね。

 もう、信用できない。でも、このひとお医者さんです。


 だから私、聞いたの「先生、女の子の体、知りすぎてるでしょ、飽きない?」

「いや、女性は奥が深い、ぼくには一生届かないと思う。ぼく、短いから」

 このお医者さん皮膚科なんだって「触るのはうまいよ」って。


〈心は育てるもの〉ここだけは心に留めておこうと思います。

 えっ子宮に留めるの?……もういやっ。


 それで、十二月って慈善募金ってあるでしょ。

 私もしちゃった。ほんのすこし、ものすごくほんのすこし。

 でもね、気持ちがいいの。だから、〈気持ちよくなる〉を買ったのね私。

 だから、もうそれ以上は深く考えないで……もう。


 今日、最後のお客さんは十一月末に定年退職した人でした。

退職の記念に自分に記念品を買おうと思ってたんだけど、欲しいものがなくて、生まれて初めてのキャバクラを記念品にしたんだって。

 最高の記念品じゃない。私も感激しました。

 人生初めての経験が私だったなんて……だからあなた、それも意味ちがいます。もう。


 あなたなら、なにを自分にプレゼントしますか?

 自分へのクリスマスプレゼント、何にしようかな、かんがえとこ。


 今日はなんか、まじめな話ばっかりしちゃいましたよね。

 こんな珠理の姿をみせたのは、あなたが初めてよ。


 それじゃあ、今夜もおやすみなさい。








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