エピローグ
第67話 エピローグ1
——エピローグ——
それから、数年の月日が流れた。
宇宙パトロールでは交通課に所属している蓮は、宇宙船の交通違反を取り締まるのが日課だ。
「レン、もうすぐ結婚記念日よね?奥様には何かプレゼントするの?」
「うん、考えてるよ……決まってないけどね」
「奥様は欲しい物あるのかな?」
「うん、
「ああ、ミオらしいわね……」
小型宇宙船のナビから聞こえてくるのは、ステラの声だった。
「それなら、あたしが最強のやつ作ってあげようか?」
宇宙船のパネルに映し出された、デフォルメされたステラの姿をしたナビキャラが言った。
「ステラさん、チートはダメですよ。言ったでしょ」
「えー、わかったわよ」
フランは現在もトッププレイヤーとしてフルダイブゲームの世界で活躍している。
現在は
ステラはバトルロイヤル後、一気に有名になり、世界中にその存在を知られる事となった。
そして運営によって、ザラートワールドには出禁になった。
だが、今でもたまにこっそりと、姿を変えてザラートワールドに忍び込んでいる……という噂である。
「あの大会の後、チートにめっちゃ厳しくなりましたよ……ステラさんが思いっきりやってくれちゃったから」
「いいじゃない、みんなも楽しかったでしょ?」
ナビキャラと化したステラは楽しそうに言う。
「ま、たしかに盛り上がってはいたけどね……」
蓮は苦笑している。
ザラートワールド内では出禁扱いとなっているステラであったが、本体のプログラムは今や
宇宙パトロールは本来なら二人一組で行動しなくては行けないのだが、ステラプログラムを搭載してからは近隣の宇宙交通パトロールくらいなら一人でパトロール船を出しても良いという決まりに変更された。
速度違反をしている宇宙船には、ステラがハッキングを仕掛けて行動不能に出来るので、ステラだけでも交通違反の取り締まりが出来てしまうのだ。
「レン、そろそろ宇宙ステーションに戻る時間よ。戻ったら勤務時間は終わり、非番だね。」
ナビのステラが言う。
「ああ、もうこんな時間だったんだ……」
時刻はもうすぐ夜の十時になろうとしていた。
宇宙ステーション署に戻って次の隊員と交代すれば、二十四時間の非番となる予定だった。
「ミオさんによろしくね、良い休日を」
「まだ早いよ、ちゃんと署に戻るまで仕事だからね」
……その時だった。
「あれ、
ナビのステラが言った。
「珍しい相手?」
「うん。
なんだろう……
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