第66話 決勝の後

 【優勝者決定】


 【第一回、ハバネロワイヤル・バトル結果】


 【優勝・No.10 双子の少女・フラン&ぽろたん】

 

 

 空中に浮かび上がったホログラムには、はっきりとフランとぽろたんの文字が刻まれていた。

 

 

「やったの……私たち……」


 フランは気が抜けて、地面に倒れ込んだ。

 

「本当に……勝ったんだ……」


 闇竜ダークドラゴンの背中に乗ったままぐったりとしているぽろたんも、その文字を見て信じられないといった表情をうかべ、目の端に涙が浮かんでいる。

 

 

 その様子を、スタジアムの大型スクリーンに映し出されたライブ配信を見ていた観客達は、大盛り上がりだった。

 

 

「すごいぞあの二人!……なんて名前だ!」


「戦いのレベルが異次元すぎる……」


「あんな加速見た事ねーぞ!」


「特級魔法の使い手もレベチなら、あの二人もレベチだった……」


「凄い物を見た……神試合だ……」


 観客は、各々が口々に興奮した様子で熱く大会を振り返っていた。

 

 

「おめでとう……ふたりとも。それとステラさんも強かったよ……」


 レンは感慨深げに呟くと、そっと席を立ち、未だ興奮さめやらぬと言った様子の会場を後にした。

 

 

 鈴音は、大会の様子を家のモニターで一人じっと見守って見ていた。


 試合中は祈るような気持ちで、息も吐けない程緊張しながらモニターを凝視し続けていた鈴音だったが、試合が終わってようやくほっと一息ついた。

 

「よくやったわ……まさか、本当に優勝しちゃうなんて……がんばったね、小夏、まどか……」



 鈴音はモニター前にすわりこんだまま、大粒の涙を流していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る