第63話 決勝戦・10
「
ステラが特級魔法を発動させる。
上空に大量の光の槍が出現し、雨の様に降り注いだ。
フランとぽろたんの乗った
「うわっ……今度は上から来たよ!しかもいっぱい」
フランが叫ぶ。
「任せてっ!
ぽろたんは
「へえ……これを防いだ人間は初めてだよ。褒めたげる。ふふっ」
ステラは子供の様な笑顔で笑っている。
ステラの近くに寄ろうとするものの、一回辺りの攻撃が重く、近づいたと思ったら攻撃が来て回避のために離れているので、結果としてステラの周囲を回り続けている。
「ぽろたん、大丈夫?」
フランはぽろたんを心配そうに見つめる。
「大丈夫……ちょっと疲れただけ。でも
「そうだね……それに対してステラの方は、特級魔法を連発しているのに、まだ全然余裕って感じだよ……この勝負、長引くとこっちが負けるよ」
「うん……こうなったら一か八か突っ込むしか無いね」
「そうだね……とはいえ、ステラに近づく事すらできないから……何かいい方法はないかな……あ、そういえばレンにもらったスキルストーン、まだ残ってる?」
フランはふと何かを閃いた。
「あるけど……でもスキルストーンで使えるのは中級魔法くらいだよ?」
「持ってる石の種類は何?」
「えっと……
「それだ、
「そうだけど……
「うん、そうだね……でも、その
ぽろたんはそう言われて、少しの間考え込んだ。
そして、何かを閃いた。
「あ、闇魔法だ!」
「そう、
「それで行こう!もうすぐ
「きっと効くと思う。レンさんに聞いたんだけど、ステラは攻撃に絶対の自信があるから防御は全くしてないんだって。あれで皮膚が鉄より硬いとかだったらもうお手上げなんだけど、防御力自体は普通のプレイヤーと変わらないどころか、職業が戦闘職じゃないメイドだからこっちの攻撃が当たりさえすれば倒せるはずだよ」
「攻撃が最強すぎるから、防御は一切してないんだ……ステラの唯一の弱点がそこだなんて、盲点だね」
「……ま、今まで攻撃を一撃でも当てた人はいないだろうけど」
「でも、勝機が見えてきたね」
「うん。私たちの方は、ステラの攻撃を防ぐのは
フランとぽろたんは互いに顔を見合わせる。
次で決めようと言う合図だった。
「反撃開始だね!」
「ステラに私たちの力を見せてあげる!」
ステラは、二人と戦闘になってからまだ一歩も動いていない。
二人が避け続けているだけなのだ。
だが、二人にはまだ希望があった。
ステラは二人の表情から、何かを察した。
「あの子達、次で最後の勝負に出る気かな……あははっ、いいわね。じゃあ、全力で迎え撃ってあげる」
ステラは子供のように笑う。
そして、二人を迎え撃つべく、両手を出して掌の先に集中し、魔力を高めて行くのだった。
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