第45話 ルールブック

——ハバネロワイヤル・ルール説明——


 大会エントリーは個人でも、PTパーティでの参加もできますが、試合中に個人とPTパーティの変更は出来ません。


 個人での参加の場合、戦闘不能リタイア、若しくは棄権きけんしたら負けとなります。

 場外に出てしまった場合も負けとなります。


 また、試合中に『参った』と言った場合も、棄権した事になります。



 場外エリアとの境目には、赤色の半透明の壁があるので、そこを超えないように気をつけて下さい。


 場外に出た場合、カウントダウンは無く、即棄権とされます。



 特殊ルールとして、サブウェポンの戦車に乗っている時に乗っている戦車が大破して、白旗が上がったら戦闘不能リタイアとなります。(戦車道ルール)


 白旗が上がる前に戦車から脱出すれば戦闘不能リタイアとはなりません。



 PTパーティでの参加の場合、パーティメンバーの誰か一人でも戦闘不能リタイア、棄権、若しくは場外に出たらそのパーティは負けとなります。



 このバトルロイヤルモードには、レベルはありません。


 全プレイヤーの基本ステータスは同じです。

 タンクやヒーラーなどのロールもありません。



 プレイヤーのステータスは、装備するメインウェポンとメインスキルによって大きく変わります。


 従って、メインウェポンとメインスキルの選択が重要になります。



 プレイヤーは、メインウェポンとサブウェポン、それとメインスキルとサブスキルを装備して戦います。


 メインウェポンとメインスキルは、それぞれ一つづつ装備する事ができます。


 メインウェポンとメインスキルは大会前に各自で用意してください。


 大会の途中でメインウェポンとメインスキルを変える事はできません。



 サブウェポンとサブスキルは、最初は全員持っていません。


 パブリックフィールドには、雑魚敵がいます。


 フィールドにいる雑魚敵を倒すとポイントが貰えるので、大会中にポイントを使ってサブウェポンやサブスキルを購入する事ができます。


 サブウェポンとサブスキルは、パブリックフィールドの中にドロップアイテムとして落ちている事もあります。


 サブウェポンとサブスキルは、大会毎にリセットされますが、予選から決勝にだけは持ち越す事ができます。



 大会には予選と決勝があり、予選では同じパブリックフィールドに集まった百人のプレイヤー同士で一斉に戦う事になります。



 パブリックフィールドは、街草原、スタジアムや宇宙など、豊富な種類の50種類以上のフィールドがあります。


 パブリックフィールドは、今後もアップデートで増えていきます。



 大会ではそのうちの10種フィールドをランダムで使用します。


 ゲームがスタートすると、最初に10種のフィールドに十人づつ配置されます。


 どのフィールドに配置されるかはランダムなので始まるまで分かりません。


 一定時間が経過すると、1エリアが場外エリアに変わります。


 どのエリアが場外エリアに変化するかは、毎回ランダムで決まります。


 一つのフィールドが場外になったら、次にどのフィールドが場外になるかのアナウンスが流れるので、そのエリアにいる人は急いで他のエリアに移動しなければなりません。


 最後の1エリアになったら、外周から徐々に壁が狭まって行きます。


 壁の外にいると場外になってしまうので、常に壁の内側に入るようにしましょう。

 後はお互いに勝敗が決するまで戦い合って下さい。



 予選では、最後に個人かパーティの10の組み合わせが残った場合に予選は終了となります。

 例えば個人が8人とに2組のPTパーティ……と言う感じです。



 予選で残ったメンバーで、決勝戦を行います。

 決勝戦のルールは、予選と同じです。


 最後まで残った一人、若しくはパーティが勝者となります。



 また、大会の様子は常に、カメラによって中継が行われています。



 優勝者、若しくは優勝パーティには、賞金の他に次回のシード権と、、スポンサー企業によってプロゲーマーとしての契約への道が用意されます。



 第一回大会は一ヶ月後に行われます。



 それまで、プラクティスモードが用意されています。


 全てのフィールドから好きな場所を選んで好きなだけ練習する事も、大会と同じルールで練習する事もできます。



 それでは、プレイヤーの皆さん、大会までしっかり練習して、是非とも奮ってご参加下さい。



 大会でお会いしましょう。



 ——ザラートゲームズ、プロデューサー兼ディレクター、馬鈴ばれいしょう



 ……


 会議室で発表会を見ていた八朔はっさくが、隣の鈴音すずねに聞いた。


「鈴音さん、ルールは難しそうだけど、なんか面白そうなモードですね。20世紀に流行ったバトルロイヤル系ゲームみたいっす。 ……鈴音さんは、ハバネロワイヤルやるんすか?」


 鈴音は、少し迷ってから答えた。


「んー、私は対人戦苦手だから、遠慮しとく」


「そっすか」


「うん」


 でも……もしかしたら、あの子達はやりたがるかもね……

 鈴音はふと、そんな事を思った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る